|
先週お伝えしたフォンテーヌブロー宮殿、内部はどんな展示になっているのでしょうか。 何せ8世紀の間増改築を繰り返した宮殿ですので、内部の装飾も様式がバラバラ。 金ピカのゴテゴテで豪華絢爛なものもあれば、パステルカラーの女性的なラブリーな内装もあり、水平線と垂直線の交わる均整のとれた理性的な様式もあれば、統一色に木の色を生かしたシンプルで威厳のある装飾もあります。 いろんな時代の様式が次々と出てくるので、違いにも注目してみてください。 正面のお庭「白馬の中庭」の右側の建物が入り口になります。 入り口でオーディオガイドを借りることができますので、是非日本語のガイドを聞きながら回ってください。 こんなフレスコ画が壁面にズラリ。ルネサンス時代に象なんて珍しい!と思って撮った一枚です。 絶対に観ておきたいのが「フランソワ1世の回廊(galerie Francois 1er)」。 フランソワ1世は自分の部屋から三位一体修道会の礼拝堂にすぐにいけるようにとこの回廊を作らせたそうです。 回廊の両脇には下に羽目板細工、上部にフレスコ画とそれを取り囲む人物や果物、植物の彫刻(化粧漆喰)で装飾しました。 当時はこういう装飾はまだ珍しく、最先端をいく自慢の回廊だったようです。 羽目板にあるFはもちろんフランソワ1世のF。またフレスコ画はそれぞれ描かれているモチーフに複雑な意味があり、後期ルネサンスの謎めいた寓意がふんだんにちりばめられています。 例えばこの白い象、力と知恵を表していて、足下のコウノトリは国王の母への敬意、3人の若者は空、海、陸という国王が統治する世界を示していると言われています。といわれてもピンと来ませんが、美術史家の間でそういう解釈で一致しているようです。 このお部屋、本当に広くて天井も立派で、1枚の写真におさめることができませんでした。是非足を運んで実際に観てほしいです! そして「舞踏会の広間(sallede bal)」もとても天井が高くて豪華な装飾にびっくりするお部屋です。 300㎡のこの大広間で国王はパーティーを開いていました。 コンサートを開いたり、仮面舞踏会が催されたりしたそうです。 食事が終わるとテーブルをどけてダンスフロアに様変わり。 暖炉のところが王と王妃の席。その両脇に狩りの愉しみを描いたフレスコ画があります。 うしろにあるのが簡易ベッド。ナポレオンは胃が弱かったというし、フカフカのベットでゆっくり睡眠を取っていたらもっと健康だったでしょうね。でも歴史は変わっていたかな。 緑色で統一された「ナポレオンの小部屋」にも注目してみましょう。 ナポレオンは1日3時間しか眠らなかったという逸話があります。 夜遅くまで仕事して仮眠をとるように簡易ベッドで休憩していたそうです。 この部屋は当時有名だった家具職人に特別に作らせた机(一瞬で書類を隠すことができるような仕掛けが施されている)と小さな簡易ベッドがおいてあるだけの部屋です。 ちなみに緑や赤、濃紺に金とマホガニーという明るい色の木の組み合わせはナポレオンが好んだ様式。 机に施されている円や様式化した植物模様もこの時代に特徴的な装飾です。 この風景は庭園の「序の口」。奥にもっともっと大運河が広がっています。 この宮殿、フォンテーヌブローの森の中に位置していて、国王たちが趣味の狩猟をするときに使っていた宮殿でした。 首都のパリから遠くなく、かつ都会の喧噪から逃れて趣味に没頭できるところ、そんな宮殿がパリ郊外にはいくつかあります。 仕事場というよりも趣味の場所なので、大運河をつくったり、小さな庭を作ったり、劇場を作ったりとくつろぎと愉しみのの空間がいたるところにあります。 17世紀はじめに作られた全長1.2キロにも及ぶ大運河を見てくださいね。 隣接する庭園はヴェルサイユ宮殿も手がけたルノートルによるもの。お天気がよければのんびりとお散歩したい場所です。 他にも英国式庭園やディアナの庭園もあるので足を運んでみてください。 私が行った時はあいにく雨が降って天気がよくなかったのですが、春になったらもう一度天気のいい日に行って当時の王朝をしのんでのんびり歩き回りたいと思います。
by paris_musee
| 2009-01-12 00:00
| お城ミュゼ
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ファン申請 |
||