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2003年頃に撮ったオルセー美術館の外観。この頃は正面入り口が工事中で、側面の入り口から入場でした。長い美術館です。画面左の大きな時計の裏に素敵なカフェテリアが。 パリに来たからには是非行きたい美術館、ルーヴルに次いで人気なのはオルセー美術館ですよね。 場所もルーヴル美術館とセーヌ川をまたいでお向かいさんにあり、昔母と観光でパリに来ていた時は頑張ってハシゴしたりしていました。 一応このふたつの美術館には役割分担がありまして、1848年以前がルーヴル、以降がオルセー(さらに1914年の第一次大戦以降はポンピドウセンター内の国立近代美術館)と時代分けがされています。 オルセーが担当しているのは「印象派」の時代のド真ん中でして、印象派が大好きな日本人に大人気なのもうなずけます。 ちょっと意外だったのは、オルセー美術館の開館が1986年であること。 建物もパリの古い町並みにしっくりととけ込んで貫禄すら感じてしまうのに、私よりも若いとは!! どういう事情なのかと調査してみると、なるほど納得、使われなくなった駅舎をそのままミュゼに改造したからなのです。 駅舎としての歴史はパリ万国博覧会が開催された1900年。 エッフェル塔ができ万国博覧会で華やぐパリを一目見たいと、フランス各地、近隣諸国からの旅行者が集まるんです。 人が集まるからには交通手段ということで、パリのど真ん中に到着するオルセー駅をつくったというわけです。 オルレアン方面からやってくる人々を一気に受け入れた大きな駅舎は当時流行っていたアールヌーボー調の装飾と彫刻を施した大円天井が特徴で、豪華なステーションホテルが併設されていた時期もありました。 万博のためにオーステルリッツ駅(これは今でも現役)から延長してわざわざ建設したのですが、1939年には駅は廃止され、ホテルだけが残りました。 1973年に歴史的建造物に指定された頃から、ミュゼにしよう!なんて声もあがり86年にオルセー美術館がオープンとなりました。 オーヴェル・シュル・オワーズに行って、ゴッホの軌跡を歩いてみました。これは当地の教会。 上の教会をゴッホが描くとこうなります。実物はオルセー美術館で観てください! さきほども言いましたが、オルセーといえばやっぱり印象派。 狙ったのかどうかはわかりませんが、駅舎の空間で見る印象派の作品が非常にマッチしているんですよね。 というのも、印象派が活躍した時期は、鉄道が発達した時期とかぶります。 パリを見に地方から人々が集まってくる一方で、パリから郊外へ行くピクニックもさかんになります。 レジャー、日帰り旅行の誕生です。 印象派の画家たちも画材道具、デッサン用具を片手にパリの駅から郊外へスケッチ旅行に出かけます。 例えば、今も昔と変わらずパリの北西に向かう列車を受け入れるサンラザール駅。この駅舎やホームも数多くの画家に描かれました。 サンラザール駅から印象派の作品の舞台になった場所へ日帰り旅行ができます。 ゴッホの終焉の地オーヴェル・シュル・オワーズや、モネが住んだアルジャントゥイユやジヴェルニーも1,2時間ほど。 当時のパリ郊外の緑多いほのぼのとした景色を描いた印象派の作品をオルセー美術館で観ると、不思議と「こんな駅舎から出発したんだなー」とイメージが湧いてくるのです。 オルセー美術館、印象派の絵画だけでなく、19世紀後半の華々しい文化が咲き誇った時代の装飾美術、彫刻、写真、建築、グラフィックなども観ることができます。ルーヴル美術館よりも小さく(それでも大きいです!)、19世紀の内装を再現したクラシカルで素敵なレストラン(お昼は16.5ユーロのコースあり)や最上階の大時計からパリを望めるカフェテリアもオススメなので、時間があったら是非行ってみてください。 オルセー美術館 住所 1, rue de la Légion d'Honneur, 75007 Paris 開館時間 9:30-18:00(木曜日のみ夜間営業 21:45まで) 閉館日 月曜日 行き方 RER C線 Musee d'Orsay駅下車すぐ チケット 8ユーロ(5,5ユーロ 30歳未満、木曜日以外の16:15以降、木曜日の18:00以降)18歳未満は無料 オルセー美術館とロダン美術館の割引入場券 12ユーロ(同日入場のこと) 入場後8日以内にオルセー美術館のチケットを見せれば、ギュスターヴ・モロー美術館とオペラ座の見学コースのチケットが割引料金になるそうです。 *ちょっと更新が遅くなってしまってごめんなさい。 取材に行く時間がなくて写真不足です...。 来週こそは新しい写真をアップしたいと思います。
by paris_musee
| 2009-02-09 00:00
| 有名ミュゼ
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