パリにあるとっておきミュゼをご案内します
by paris_musee
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マリー・アントワネットを知ろう! 
先月日本に一時帰国していました。
その時に絶対に買おう!と思っていた本が、『ベルサイユのばら』です。
70年代に発表され、その後も代々読み継がれているという不朽の名作マンガですよね。
実は今回、初めて読ませていただいたんです。
すごく読み応えがあって面白かった!全5巻を数時間で読破しちゃいました。

マリー・アントワネット。
あまりにも有名な彼女の波乱に富んだ人生は、昔からアーティストたちの格好の主題となってきました。
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こちらが角川書店バージョン
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こちらが岩波文庫バージョン
一番最初に彼女の人生を小説にしたのは(あるいは現在も読まれているの最も古いものは)、1933年にステファン・ツヴァイクが書いた『マリー・アントワネット上下』。
その後のほぼすべてのアントワネットものの作品のたたき台になっているのが、この作品ではないでしょうか。
ここに描かれているエピソードが、他の作品にちょこちょこ使われています。
私は岩波版を持っていますが、岩波らしくちょっと硬派な文体です。
小説というより歴史書みたいな感じ。ドキドキしながら読み進めるというより、淡々と事実を追う感じです。

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こちらは小説なのでかなり読みやすいですよ。
日本の作家、遠藤周作も『王妃マリー・アントワネット上下』(新潮文庫)を描いています。
これは少しフィクションが付け加えられていて、庶民出身の貧しい架空の女性と王妃のコントラストが特徴的です。
庶民の登場人物がいることで、フランス革命とマリーアントワネットの関係がどのように絡んで行くのかがわかりやすく描かれています。

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こちらは註や図版も豊富でとても読みやすいです
イギリス女性作家のアントニア・フレイザーも『マリー・アントワネット上下』(ハヤカワ文庫)を女性の視点で描いています。

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こちら、もうご覧になりましたか?実際にヴェルサイユ宮殿を貸し切って撮影がなされ、ラデュレのスイーツにパステルなドレス、史実をかなり今風にアレンジした乙女趣味のかわいい映画です。
この作品が原作となって、ソフィア・コッポラ監督の『マリー・アントワネット』という映画が作られました。
映画は上巻だけを映像化していて、王妃の悲劇は描かれていません。
フランス人の友達の間では、「アメリカ人監督がフランスの歴史を映画化するなんておこがましいけど、せめてもの救いはアメリカ人にフランス革命の暗部を描かれなくてよかった」といったものでした...。

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こちらは大人買いができるボックス売り!
そして池田理代子によるあの有名な『ベルサイユのばら』。
この作品もオスカルなど架空の人物が登場して話を盛り上げていますが、基本のエピソードはツヴァイク本に忠実です。
でもやっぱりフランス革命において庶民がどうだったのか、という視点が入っていて、スピード感とリアリティのある作品に仕上がっています。
またこれがモトとなって宝塚歌劇団などもミュージカルを上演していますよね。
本国フランスでも『Lady Oscar』というタイトルで翻訳され、79年にはテレビでも放送されるほどの人気でした。
フランス文化の日本への紹介という点でも彼女の功績が評価され、今年フランスからレジオンドヌール勲章シュヴァリエ賞を授与されています。

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コッポラ映画の影響か、昨年、パリのグランパレという会場で『マリーアントワネット』展が開かれました。
私は会期終了間際に行ったのですが、なんと2時間待ちの長蛇の列。
炎天下の中、初老のマダムやムッシューらとともに待ち続け、やーっと中に入ることができましたがかなりの混雑。
フランスで初めて、上野の森の企画展に匹敵するほどの混雑した美術鑑賞でした。
マリー・アントワネット、やはりフランス人の間でもいまだに大人気です。
企画展ですので写真撮影はできませんでしたが、目の前に展示されている彼女にまつわる肖像画やドレス、宝飾類、使用していた家具、小物、どれもが強烈な存在感を放っていました。
小説などを読んだ後だったので、そういった作品のエピソードに出てくる展示品の数々を目の当たりにでき、彼女の壮絶な人生が急に現実味を帯びて来て恐ろしくも感じました。

ここに挙げたすべての作品に共通しているのが、2部構成になっていること。
前半は享楽的で退廃的とさえいえる豪華絢爛な王室のあきれた日常が描かれ、
後半はフランス革命が進む中、民衆のおさえようのない怒りのはけ口として批判と屈辱にさらされるオーストリア女の悲劇が描かれているのです。
展覧会でも、前半は壁の色が明るかったり、オーディオガイドからは楽しい音楽が流れて来たりしていたのですが、後半は打って変わって暗い室内にぼーっと浮かび上がる作品群、とても寂しい雰囲気の展示になっていました。

正直、前半はいいけど、後半は読みたくない、観たくない、という感じです。
私がコッポラの映画が好きなのも、後半が描かれていないから、というのがあるかもしれません。
後半の史実を直視するのは毎回勇気がいるほど心が痛みます。
フランス革命はある意味、本当に残酷でした。
毎年7月14日にフランス革命の成功を祝した盛大なお祭りがあるのですが、華やかな軍隊パレードやエッフェル塔にうち上がる美しい花火なんかを見ると、ちょっとだけ複雑な気持ちになってしまいます。

マリー・アントワネットおたくでなくても、フランス革命マニアでなくても、フランスに旅行に来るときにちょっとしたエピソードがわかっていると2倍楽しめる観光名所がたくさんあります。
来週から、マリー・アントワネットにまつわるスポットをエピソードとともにご紹介して行きたいと思います。
もしお時間と興味があったら、上に挙げた作品を鑑賞してみてくださいね。
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by paris_musee | 2009-05-11 00:00 | その他
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