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まだまだルーヴル美術館は続きます。 先週はルイ14世時代の絵画についてお話ししましたので、次はルイ15世に行きましょう。 絶対王政のフランスがルイ14世によって確立すると、「2代目」は攻めでなくて守りの体制に入ります。 絢爛豪華、荘厳華麗なアートは好まれず、軽妙洒脱、優美繊細なアートが流行ります。 前者に比べて格段に「女性的な」ものが多いんです。 この時代のアートを総称してロココ様式と呼んだりします。 これがポンパドール夫人。パステルで描かれているので、よりいっそう柔らかな表現になっています。ちなみに日本のパン屋さんで「ポンパドウル」という名前のお店がありますよね。実はポンパドール夫人の優雅なイメージを「おもいきり高級で優雅な欧風ベーカリー」というコンセプトに重ね合わせた命名なんだそうです。ロゴマークにも彼女のお顔が使われているのでチェックしてみてください ちなみにポンパドール夫人という好色家ルイ15世のお妾がいるのですが、彼女がこのロココ様式の牽引者。 現在のセーヴル磁器工場は彼女によって設立され、サロンを主催しては芸術家を庇護しロココ様式の発展に貢献しました。 愛人ではありましたが、彼女なくしては語れないほどルイ15世に影響を与えた人物なのです。 ロココ様式、家具ですと植物や貝などのモチーフが好まれ、曲線を多用してアシンメトリーな細かい装飾が増えます。 絵画ではキューピッドが空を舞う、植物や花に囲まれた愛をテーマにしたテーマを、パステルカラーでふんわりと描いたものが登場します。 この作品の細かい部分をクローズアップした画像で見ることが多かったからか、実物は案外小さくて驚きました。こういう驚きもホンモノを見るときの醍醐味ですよね 有名な作品はアントワーヌ・ヴァトーによる『シテール島への巡礼』。 たくさんのカップルが描かれているのですが、同一人物をコマ送りにした絵画と見ることもできます。 木々が生い茂る画面右に座って愛を語り合う男女がいます。 左に行くに従って、2人は立ち上がり、未練があるかのように振り返り、 キューピッドたちに祝福されながら小舟に乗って光輝く水平線のむこうにある愛の島シテール島へ出航するという場面です。 彼は37歳で夭折しましたが、ロココ様式の絵画の幕開けを担った有名な画家です。 光がちょうど当たる配置だったので、上手に撮影できませんでした。でも生き生きとした肌の感じはおわかりになるでしょうか フランソワ・ブーシェ『水浴のディアナ』 ローマ神話の多産や狩猟、純潔の象徴であるディアナが女性の精霊ニンフとともに水浴している場面です。 なんとも優美で官能的な裸体表現ですよね。輝くみずみずしい肌の描き方も特徴的です。 実は印象派のルノワールもせっせとここに通いつめて模写をしたんだそうです。 ルノワールの官能的な裸体表現のモトはここにあったのかもしれません。 ちなみにブーシェはポンパドール夫人の寵愛を受け、晩年は首席画家として活躍しました。 こちらの作品は自画像です。wikipedia Franceからお借りしました ロココ様式の最後期を飾ったのがジャン・オノレ・フラゴナール。 ブーシェに学んだ画家です。 彼はフランス革命後もルーヴル美術館の作品管理の仕事に就くなど、芸術とともに生きた人物なのですが、 後半は絵をほとんど描くこともなく(フランス革命による政変とも関係がありますが)、 画家としての名声は忘れ去られひっそりとこの世を去りました。 この人の特徴は速筆。近くで作品を見ると荒い筆致で描かれているんです。 その速筆が画面に軽さや空気感をもたらしているんですね。 あえてアカデミーにはどっぷり浸からず貴族などをパトロンにして生活をしていたので、 彼らの肖像画がたくさんルーヴルでご覧頂けます。 表情の高貴さや愛らしさ、ものごしの優美さなどはロココの時代精神を表しています。 いかがでしたか? 18世紀前半の安定したブルボン王朝の文化的成熟を背景にした、うっとりとするような繊細優美なロココ絵画。 ルイ15世の政治が終わるとまた絵画様式も変化します。 住所 rue de Rivoli 75001(正式な住所はMusée du Louvre。メトロを出たらすぐわかると思います) メトロ 1番線、7番線 Palais Royal-Musée du Louvre 開館時間 水曜日から月曜日 9時から18時(水曜日と金曜日は22時まで) チケット 常設展とドラクロワ美術館 9ユーロ (水曜日と金曜日の18時から6ユーロ) ナポレオンホールの企画展のみ 9.5ユーロ 常設展と企画展 13ユーロ (水曜日と金曜日の18時から11ユーロ) 毎月第1日曜日は入場無料 日本語公式サイト
by paris_musee
| 2009-08-31 00:00
| 有名ミュゼ
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