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ちょうど八重桜が咲いているときに撮った正面玄関の写真です 旅行でパリに訪れると、よっぽど時間に余裕があったり、どうしても見たい展覧会をやっていない限り行かないミュゼってたくさんありますよね。今回ご紹介するプチ・パレ(Petit Palais)は残念ながらそういうミュゼかもしれません。 でも2010年8月29日までイヴ・サンローランの回顧展をやっていますので、ファッションに興味のある方は是非足を運んでみてくださいね。 先週お話しした1900年のパリ万国博覧会の会場として建設されたのが、こちらプチ・パレです。 実は一緒に建設されたグラン・パレ(Grand Palais)とこの建物のあった場所には、巨大な産業宮( Palais de l'Industrie)という建物がありました。 1851年にロンドンで前代未聞の規模の博覧会(これが19世紀の万博の始まりでもあります)が行われたんですが、そのメイン会場のガラス張りの水晶宮(Christal Palace)が本当にすばらしく、当時のナポレオン3世はそれに対抗してこの産業宮をつくらせたのです。1855年のパリ万博でメイン会場となりました。長さ250m、奥行き100mの巨大な建物でしたが、レンガと石で造られたため、ガラス張りの明るい水晶宮には勝てなかったと言わざるを得ません。 それが原因ではないでしょうが、この産業宮はその後壊され、跡地に1900年の万博のためにグラン・パレとプチ・パレを造ったという訳です。 プチ・パレは半円形の中庭を囲むように建物が造られているのが特徴的で、正面は150mの長さがあり、中央はドームを頂いています。シャンゼリゼ大通りからウィンストン・チャーチル通りを入ると、その通り全部がプチ・パレ(反対側がグラン・パレ)なっており、さらにその奥にはこれも1900年の万博で造られた豪華なアレクサンドル3世橋がセーヌ川に架かっています。もう当時の面影はありませんが、この辺だけとても贅沢な空間の作りをしていて大好きです。 産業宮の反省(?)があったからか、このプチパレを入るとすぐにある天井の高いドームは半透明で、会場内は自然光がさんさんと入るような設計になっています。 1900年にプチパレで展示されていたのはフランスの過去の美術作品、お向かいのグラン・パレでは各国の(当時の)現代美術でした。 美術展示のための会場として設計されたからでしょうか、万博後もパリ市の美術館として使われ続けてきました。 2000年に改修工事のため一度閉館しましたが、2005年に展示空間を広げてリニューアルオープンしました。なのでとっても新しくきれいで、入り口のドームなどは入ったとたんすごく優雅な気分にさせてくれます。 展示品は、寄贈者のコレクションによりとても多岐にわたります。悪く言えば何でもありすぎ。プチパレがこんな大きな建物でありながらマイナー美術館であるのはその辺に原因があるのかもしれません。 でも入場無料ですし、いろいろ観れるし空いてていいんですよ! 具体的には、18世紀から19世紀の家具や装飾品のコーナー(ガレの花瓶、ギマール邸の食堂など)や、17、18、19、20世紀の絵画(有名どころではレンブラント、ルーベンス、グルーズ、コロー、クールベ、ドラクロワ、アングル、マネ、モネ、ギュスターヴ・モロー、セザンヌ、ルノワールなど)、ルネサンスのオブジェ、キリスト教世界のオブジェ、ギリシャ・ローマのオブジェなどです。 本当にいろんなものがあるんですが、こういう作品を全部観なくてもいいと思います。万博のことを想像しながら自然光がふりそそぐ気持ちのよい空間(中庭がオススメ)を歩くだけでも十分に満ち足りた気分にさせてくれますよ。 シャンゼリゼでショッピングをしたあとにぷら〜っと立ち寄って好きなところだけ観るのに最適なミュゼです。私は入ったことがありませんが、館内にカフェもあるので休憩するのもいいかもしれません。春にはピンクの八重桜が咲いてとても綺麗です。次回のパリ滞在に訪れてみてはいかがですか? ちなみにこのブログの左上のプロフィール写真はPetit Palaisの正面ドームです プチ・パレ Petit Palais 住所:Avenue Winston Churchill - 75008 Paris 電話 : 01 53 43 40 00 開館時間 : 10:00〜18:00 月曜日、祝日閉館 メトロ:1,13番線 Champs-Elysées-Clemenceau 入館料:常設展は無料 2枚のイラストはこちらからお借りしました。
by paris_musee
| 2010-04-12 00:00
| 有名ミュゼ
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