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装飾美術を展示するミュゼで、私が大好きなのはお部屋の再現コーナー。 寝室だったりダイニングだったり、壁の装飾(ボワズリー)や照明、カーテン、家具などをある時代のスタイルでコーディネートしているお部屋がたくさんあるんです。 貴族が所有していたお屋敷の装飾をそのまま持って来たり、あるデザイナーの作品をまとめて展示したり、熱心なコレクターの部屋を再現したり...。 各お部屋にはいろいろな逸話が詰まっています。だいたい入り口のパネルに「**の部屋」と書いてあるのでチェックしてみてください。 こういったお部屋、豪華絢爛でただただうっとりするだけの「目の保養」になることが多いのですが、ひとつひとつの家具を見てみると意外と今の生活に取り入れられるものがあったりするんです。 このロマンチックな乙女趣味のカーテンの柄みたいな布はないかなー、とかシンプルな木と紫の椅子の配色がいいなーとか、自分の家のインテリアの参考にしたりします。 そしてモンマルトル周辺の生地屋さんに行ったり、インテリアショップのHabitatやConran shopに繰り出して、理想と現実の擦り合わせをしています。 もうちょっとお金に余裕があったら(そして自宅が広かったら)、クリニャンクールの蚤の市にある美術工芸品のアンティークショップで買い物をしたり、ドゥルオーの競売所に行ってコレクターたちと競り合ってオークションに参加したりするんですけどね。 装飾美術をミュゼで見ていると、現代の私たちが模様替えや引っ越しであれやこれやと家具を選ぶ気持ちと、ルイ14世などの王侯貴族が自分のお城を快適なものにしようと家具を作らせていた心理にきっと違いはないんだろうなーと思います。 デザインと実用を兼ねたインテリア・アイテムを求めるのは古今東西誰も同じ。 美術だからと線を引いてしまうのではなく、この美術館で貴族やコレクターの日常に思いを馳せるのが私の鑑賞法です。
by paris_musee
| 2008-10-20 00:00
| テーマミュゼ
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