パリにあるとっておきミュゼをご案内します
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2009年 01月 19日 ( 1 )
<ヨーロッパ絵画 part 2 北方絵画 リシュリュウ翼2e étage Musée du Louvre>
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お正月のパリ、なんと大雪が降って零下10度を記録しました。本当ならエッフェル塔まで見える景色が真っ白です。
またまたルーヴル美術館に戻ってきました。
今日はルーヴルの目玉のひとつ、北方絵画のお話です。

ヨーロッパ大陸の北の方、ドイツ、オランダ、ベルギーなどの絵画を集めた展示室がリシュリュウ翼の2e étage(日本で言う3階)にあります。
リシュリュウ翼のエスカレーターを最上階まで上りつめたところから入ると、1~3の展示室はフランスの絵画となっていますが、向かって左の展示室4からオランダの絵画を見ることができます。

個人的にルーヴルの北方絵画の階はお気に入りのひとつです。
前に見たドゥノン翼の有名絵画は実際に観ると圧倒されるものの、迫力がありすぎて疲れてしまい、最後は「あ、知ってる」「これ教科書で見た」という確認作業になってしまうことが多いのです。
でもここは全体的に作品は小さく、派手さがなく、素朴な静物画もたくさんあって、森の中を散歩しているようなゆったりした気分で観ることができるんです。
もちろん有名な画家の作品はたくさんありますが、ヨーロッパ人の田舎の別荘のサロンに飾ってありそうな、何の変哲もない静物画、風景画、人物画も多くてくつろげるのかもしれません。
それはフランスとかイタリアとかイギリスといった歴史を引っ張って来た大国ではない、自然豊かな北の小さな国々の画家の素朴な視点で描かれた世界だからでしょうか。

日本の実家にいるのと同じ犬が作品に描かれていたりして、そんな動物の描写にもいやされたりしています。
空想上の生き物や本物のような精巧さで描かれた洋服、当時食べていたものなどちょっと変わった面白いモチーフをクローズアップして楽しんだりしています。
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画面にひっそりと描かれた空飛ぶ未確認生物。
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階段広場に展示してある大きな絵。当時の魚屋さんでしょうか。

北方絵画を観るとき、ちょっと頭に入れておきたいのが「宗教」です。
キリスト教であることに変わりはないのですが、それがカトリックかプロテスタントかが重要になってきます。
というのも、16世紀の宗教改革後は単純化するとカトリックが厳粛なキリスト教世界を守り、プロテスタントはその世界観を緩和するような方向に向かうからです。

当時ネーデルランドと呼ばれていた現在のオランダ、ベルギー、ルクセンブルグの地域は、17世紀にこの宗派を巡ってフランドルとオランダに2分します。
フランドルはカトリックだったのでキリスト教色が強く保守的で、反対にオランダはプロテスタントだったので宗教色が弱まり、当時の経済の発展・市民階級の台頭とともに、新しく自由な精神を感じる絵画や当時の市民の風俗が描かれます。

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フランドルの絵画で見逃せないのは展示室18のリュベンスの大作が並べられたお部屋。
王権をカトリックの力とともに強化したこの国で宮廷画家として活躍したリュベンスです。
この作品はフランスのルイ13世のお母さん、『マリードメディシスの生涯』という作品で、色彩豊富でダイナミックで豪華な大作です。
もちろんモチーフが王妃であるからですが、リュベンスが描く女性はふくよかで母性あふれそしてとても上品です。

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人がいっぱいいたので斜めから撮ったら光が入ってしまいました。辛抱強く順番を待って正面から写真を撮らないとダメですね。
オランダ絵画ではやっぱりフェルメールでしょうか。
この作品『レースを編む女』の前にはいつも人だかりができているのですぐにわかるはずですが、すごくすごく小さな作品です。
彼は寡作な作家だったので、フェルメール展をどこかでやるたびに貸し出し中になってしまうことが多いのが難点です。
よく見るとフェルメールブルーと言われる美しい青色のクッションの下から出ている赤と白の糸が結構いい加減に描かれているのです。
ほのぼのとした暖かいフェルメールのまなざしがこの絵にはよく現れています。
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自分の肖像画をたくさん描いたレンブラントも是非観てくださいね。
展示室内に何枚か自画像があるのでレンブラントの顔がどのように老けていくのかをチェックできますよ。

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この人の描く中性的な人物を見ると、浮世絵師の鈴木春信を思い出します。
ドイツ絵画で私が好きなのはクラナッハ。ニュルっとした子供とも大人とも言えない官能的な裸体が特徴です。
後ろの風景もおとぎ話に出てきそうな不思議な建物と湖、肌の白さを一層強調する深緑の木々で、ドイツの森のシンとした空気が伝わってくるようです。

この北方絵画の階は必ず毎日開いているというわけではないようです。
現在は木曜日と金曜日の夜間に一部閉鎖しているみたいですが、スケジュールはよく変わるのでサイトでチェックしてください。
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by paris_musee | 2009-01-19 00:00 | 有名ミュゼ