パリにあるとっておきミュゼをご案内します
by paris_musee
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カテゴリ:有名ミュゼ( 23 )
シャンゼリゼ通りのそばにある穴場ミュゼ プチ・パレ Petit Palais
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ちょうど八重桜が咲いているときに撮った正面玄関の写真です
旅行でパリに訪れると、よっぽど時間に余裕があったり、どうしても見たい展覧会をやっていない限り行かないミュゼってたくさんありますよね。今回ご紹介するプチ・パレ(Petit Palais)は残念ながらそういうミュゼかもしれません。
でも2010年8月29日までイヴ・サンローランの回顧展をやっていますので、ファッションに興味のある方は是非足を運んでみてくださいね。
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これがお向かいのグラン・パレ。ここも企画展示などをする美術館です。
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こちらがプチ・パレ。上のイラストもこちらも、パリ万博のときのものです
先週お話しした1900年のパリ万国博覧会の会場として建設されたのが、こちらプチ・パレです。
実は一緒に建設されたグラン・パレ(Grand Palais)とこの建物のあった場所には、巨大な産業宮( Palais de l'Industrie)という建物がありました。
1851年にロンドンで前代未聞の規模の博覧会(これが19世紀の万博の始まりでもあります)が行われたんですが、そのメイン会場のガラス張りの水晶宮(Christal Palace)が本当にすばらしく、当時のナポレオン3世はそれに対抗してこの産業宮をつくらせたのです。1855年のパリ万博でメイン会場となりました。長さ250m、奥行き100mの巨大な建物でしたが、レンガと石で造られたため、ガラス張りの明るい水晶宮には勝てなかったと言わざるを得ません。
それが原因ではないでしょうが、この産業宮はその後壊され、跡地に1900年の万博のためにグラン・パレとプチ・パレを造ったという訳です。
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正面玄関のドームを撮ってみました。が、巨大すぎて全部写りません!
プチ・パレは半円形の中庭を囲むように建物が造られているのが特徴的で、正面は150mの長さがあり、中央はドームを頂いています。シャンゼリゼ大通りからウィンストン・チャーチル通りを入ると、その通り全部がプチ・パレ(反対側がグラン・パレ)なっており、さらにその奥にはこれも1900年の万博で造られた豪華なアレクサンドル3世橋がセーヌ川に架かっています。もう当時の面影はありませんが、この辺だけとても贅沢な空間の作りをしていて大好きです。
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ここは半円形の中庭
産業宮の反省(?)があったからか、このプチパレを入るとすぐにある天井の高いドームは半透明で、会場内は自然光がさんさんと入るような設計になっています。
1900年にプチパレで展示されていたのはフランスの過去の美術作品、お向かいのグラン・パレでは各国の(当時の)現代美術でした。
美術展示のための会場として設計されたからでしょうか、万博後もパリ市の美術館として使われ続けてきました。
2000年に改修工事のため一度閉館しましたが、2005年に展示空間を広げてリニューアルオープンしました。なのでとっても新しくきれいで、入り口のドームなどは入ったとたんすごく優雅な気分にさせてくれます。
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地下の展示室におりる階段の手すり
展示品は、寄贈者のコレクションによりとても多岐にわたります。悪く言えば何でもありすぎ。プチパレがこんな大きな建物でありながらマイナー美術館であるのはその辺に原因があるのかもしれません。
でも入場無料ですし、いろいろ観れるし空いてていいんですよ!
具体的には、18世紀から19世紀の家具や装飾品のコーナー(ガレの花瓶、ギマール邸の食堂など)や、17、18、19、20世紀の絵画(有名どころではレンブラント、ルーベンス、グルーズ、コロー、クールベ、ドラクロワ、アングル、マネ、モネ、ギュスターヴ・モロー、セザンヌ、ルノワールなど)、ルネサンスのオブジェ、キリスト教世界のオブジェ、ギリシャ・ローマのオブジェなどです。
本当にいろんなものがあるんですが、こういう作品を全部観なくてもいいと思います。万博のことを想像しながら自然光がふりそそぐ気持ちのよい空間(中庭がオススメ)を歩くだけでも十分に満ち足りた気分にさせてくれますよ。

シャンゼリゼでショッピングをしたあとにぷら〜っと立ち寄って好きなところだけ観るのに最適なミュゼです。私は入ったことがありませんが、館内にカフェもあるので休憩するのもいいかもしれません。春にはピンクの八重桜が咲いてとても綺麗です。次回のパリ滞在に訪れてみてはいかがですか?


ちなみにこのブログの左上のプロフィール写真はPetit Palaisの正面ドームです
プチ・パレ Petit Palais
住所:Avenue Winston Churchill - 75008 Paris
電話 : 01 53 43 40 00
開館時間 : 10:00〜18:00 月曜日、祝日閉館 
メトロ:1,13番線 Champs-Elysées-Clemenceau

入館料:常設展は無料

2枚のイラストはこちらからお借りしました。

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by paris_musee | 2010-04-12 00:00 | 有名ミュゼ
さすがは本場、充実のフランス絵画 パート10 ルーヴル美術館 リシュリュウ翼+シュリー翼2e(3階)
長らく放置してしまってすみませんでした。
急に忙しくなってしまい、「ミュゼのある暮らし」ができないでおりました。

さて、ルーヴル美術館、フランス絵画シリーズの最終回です。
前もお話ししたかと思いますが、ルーヴル美術館の担当は1848年まで。
1848年から1915年までは、セーヌ川を挟んだお向かいのオルセー美術館が担当することになっています。
実はその1848年をまたいで活躍している画家はどちらの美術館でもお目にかかることができたりします。

今回はそんなパリの二大美術館に展示されているジャン・バティスト・カミーユ・コローについてお話ししたいと思います。
印象派のピサロやルノワールは彼の影響を受けたと言われている画家です。

彼の作品、なんてことない風景画(失礼)に見えるんですが、私は大好きです。
ルーヴル美術館のフランス絵画展示室をえんえんと歩いて来て、歴代の偉大な画家の有名な作品を観てクタクタになった脳みそを癒してくれるような、そんな優しい作品なんです。

彼は裕福な家庭に生まれ、一度は家業を継ぎますが、どうしても画家になる夢をあきらめられず両親を説得して絵描きの道を歩みます。
新古典主義の歴史風景画家の先生に師事しつつ、フランス各地を回って風景の写生をしたりして画家としての力をメキメキとつけて行きます。
そして画家にとってあこがれの国でもあるイタリアへ3年間も留学する機会にも恵まれました。
ローマ、ナポリ、ヴェネツィア、美しい町を巡りながらたくさんの風景画を描きます。
旅で訪れたのどかな田園風景を閉じ込めた『〜の思い出』というタイトルの作品がいっぱいあります。
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モルトフォンテーヌというのは、パリ郊外のシャンティイ城のそばにある美しい村です。

まずはこちら。私が好きな『モルトフォンテーヌの思い出』
去年、上野や神戸でやったルーヴル美術館展にも展示されていたようですので、ご覧になった方もいらっしゃるかと思います。
当時もサロンに出品して大好評を博し、ナポレオン3世が買い上げたという作品。
どうですか?
これぞ「癒し系絵画」と言ってもいいくらい(表現が軽々しくてごめんなさい)、夢のような美しい風景が自分の目の前に広がる、そんなホっとする作品だと私は思います。
湖のほとりを描いたこの画面の3分の2を占める右の大きな木。
葉のつき方や枝っぷりも立派なのですが、背景の空気に溶けて行っちゃいそうな優しく儚い葉っぱの描き方がとてもポエティックです。
自然の雄大さとか威圧感が、これだけ大きく画面に収まっているのにみじんも感じない。
ひっそりとたたずみ、時折葉を揺らしてさわやかな風を知らせる優しい自然なのです。
よ〜く見るとちょっと雑な筆致なんですが、そのかすれ具合がうまい具合に淡い光や霧を表現していて、水墨画みたいな幽玄な雰囲気を出しているんですよね。
私たちは(多分)モルトフォンテーヌの景色を知りませんが、「思い出」というタイトルがつくことによって、個々の中にあるヨーロッパの田園風景のイメージが、あたかも行ったことがあるかのような個人体験として蘇ってくるような気がするんです。

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ああ、都会の喧噪を離れてこんなところでのんびりしたい!とプチ逃避行するのにうってつけの絵画だと思います。
次は『ティヴォリのヴィラ・デステの庭園』
ローマの近くにあるティボリに位置するヴィラ・デステ。
文化を愛したイタリア貴族の家系であるエステ家が所有する広大な庭園で、現在ユネスコに登録されているそうです。
たくさんの水の芸術があることで有名。
コローもきっとここの美しい噴水をたくさん見たと思うのですが、この作品はヴィラ・デステから町、遠くの山を臨む景色が描かれています。
近景から遠景まで暖かい光に包まれて浮かび上がるのどかな景色。
中央にはラフな格好をした少年がぽつんとひとり腰掛けています。
人物も木々も家々も遠くの山も柔らかい光を浴びて気持ち良さそうです。

この作品にも特徴的ですが、私が好きなのはコローが使うクリーム色。
絵の具の質感も感じるようなペタっとしたクリーム色が、なぜか温かく柔らかい風景画の中でリアリティを感じさせるよな気がするんです。
コローの作品は決して写実的にホンモノと同じように描かれてる訳ではないし、本来なら絵の具のペタっと感は「これはあくまで絵画です!」と現実に引き戻されるはずなのに、彼のクリーム色のおかげでこの風景画を風景として感じられるように思うんです。
個人的な感想かもしれないんですが、もしコローを間近で観る機会があったら是非クリーム色に注目してみてほしいです!

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風景画のコローですが、もちろん他のジャンルも描いています。
有名なのは『真珠の女』
これもまたクリーム色が使われていますね!
この女の人、ルーヴルにいる有名人にどことなく似ていると思いませんか?
そう、レオナルド・ダ・ヴィンチの『モナリザ』です。
腕を組んでやや斜めからこちらを向くポーズはそのままモナリザの構図ですよね。
よく言われる『モナリザ』の神秘的な微笑みではないですが、こちらの女性もまたちょっと寂しそうな表情の奥に、柔らかさや気品が感じられます。
コローがあえて『モナリザ』の別解釈として描いたのか、それともただ単に構図を拝借しただけなのかはわかりませんが、彼が死ぬまで大事に持っていたというエピソードまでレオナルド・ダ・ヴィンチの『モナリザ』に重なります。
ちなみにおでこに光る一粒の点が真珠に見えることから『真珠の女』という名前がついていますが、本当は木の冠です。

他にも、ルーヴル美術館のフランス絵画の最後のお部屋にはたっくさんコローの作品があります。
アントレから始まり、メインディッシュ、チーズ、デザートと続いて、お腹がいっぱいになった後のコーヒータイムのように、ここで怒濤のフランス絵画を締めくくるのにちょうどいい作品だと思います。
フランス絵画は胃にもたれますので、コーヒータイムではあまり脳みそを働かせずにのんびりと鑑賞するのがオススメです。

長かったルーヴル美術館フランス絵画も今日でおしまいです。
おつきあいいただきありがとうございました。
これからも『ミュゼのある暮らし』を心がけて、またいろいろな美術館をご紹介して行きたいと思います。

*今回の画像はルーヴル美術館ホームページ、Wikipediaよりお借りしました。


住所   rue de Rivoli 75001(正式な住所はMusée du Louvre。メトロを出たらすぐわかると思います)
メトロ  1番線、7番線 Palais Royal-Musée du Louvre
開館時間 水曜日から月曜日 9時から18時(水曜日と金曜日は22時まで)
チケット 常設展とドラクロワ美術館 9ユーロ (水曜日と金曜日の18時から6ユーロ)
ナポレオンホールの企画展のみ 9.5ユーロ
常設展と企画展 13ユーロ (水曜日と金曜日の18時から11ユーロ)
毎月第1日曜日は入場無料
日本語公式サイト


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by paris_musee | 2009-11-30 00:00 | 有名ミュゼ
さすがは本場、充実のフランス絵画 パート9 ルーヴル美術館 ドゥノン翼1er(2階)

さあ、ルーヴル美術館のフランス絵画のお話も終わりに近づいて参りました。
今日はロマン主義についてのお話です。
今回もwikipedia franceから画像をお借りしています。

時代は18世紀の終わりから19世紀にかけて。
ロマン主義というのは文学におけるスタイルとして使われることが多いのですが、絵画におけるロマン主義というのもあります。
**主義というのは、たいてい前スタイルへの反抗がもとになっていますので、新古典主義との比較で特徴を観て行きたいと思います。

新古典主義は理知的で、歴史や古代ギリシャローマをテーマにしていて、厳格な水平垂直の構図や画面を安定させるための三角形を多用しました。キッチリカッチリがモットー。とても男性的です。
一方のロマン主義というのはその反対と考えていただいて結構です。
でも新古典主義の前のロココにはならない。
もうフランス革命が行われていて、時代は王様のものではなく市民(ブルジョワジー)のものだったからです。
おまけにナポレオン帝国が東へ領土を広げまくっていて、キリスト教世界と異なるオリエンタルな世界の情報が入って来る。
新古典主義のキッチリカッチリが窮屈すぎて、そこから解放されたくて仕方がない、そこに東方趣味が加わります。
個人的にも理性的なものから逃れたくて、夢や幻想、個人の気持ち、内面世界が注目される。

というわけで、題材はオリエンタルなもの、現実世界の恐怖や不安を感じさせるような事件、夢のような幻想的な世界を描きます。
ドラマチックに描きたいので、対角線構図を用いて画面に動きがあるように見せたり、ハっとするような一瞬を切り取ったりします。
ロマン主義の画家として有名なフランスの画家はウジェーヌ・ドラクロワとテオドール・ジェリコー。
さっそく代表作品を観て行きましょう。

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この中央の女性はフランスを象徴する「マリアンヌ」の元祖モデルになっています。フランスの切手に使われる肖像画です。今っぽくするためにブリジッド・バルドーなんかがモデルになった時期もありました
『民衆を率いる自由の女神』ウジェーヌ・ドラクロワ
この作品、名前は知らなくても観たことがある方はすごく多いと思います。
フランス革命と思い込んでる方もいるかもしれませんが、1830年の7月革命が題材です。
フランスの国旗トリコロールは、「自由」「博愛」「平等」の意味を持っていますが、これらを勝ち取るために立ち上がった半裸の女性と、彼女に率いられ武器を片手に立ち上がる民衆の興奮した空気が伝わってくるような作品です。
画面下に横たわり踏みつけられた死体も、革命の切迫感、凄惨さを表していますよね。
国旗や衣服、背景の煙なんかも動きのあるダイナミックな作品の小道具となっています。
この作品は当時の事件をドラマチックに描いたロマン主義の象徴的な作品です。

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画面のどこを見ても悲壮な物語が繰り広げられているオリエンタルな一枚です
『サルダナパールの死』ウジェーヌ・ドラクロワ
こちらはどうでしょう?
中央のベットに横たわるのが古代アッシリアの王様サルダナパール。
その周りで家臣たちが次々と殺されていくのを落ち着いた様子でながめています。
実は、圧政に耐えかねて反旗を翻した反乱軍の前で、快楽主義者だったサルダナパールは自分の臣下を目の前で殺させるというシーンなのです。
赤いベットが斜めに画面に配置され、体をさまざまな方向によじらせながら殺されて行く臣下たち。
王のまわりには大切にして来た宝が散乱しています。
色彩の氾濫、四方八方に目移りするようなダイナミックな構図、この絶望的で凄惨な場面に立ち会いながら冷ややかな目で事の次第を見守る王の表情が尚いっそうこの修羅場を強調しているようです。
オリエンタルな題材もまたロマン主義ド真ん中ですよね。
ちょっと刺激が強すぎて、サロンではスキャンダルになり不評だったといいます。

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現実にあった壮絶な事件をもとに描いた作品。色味が少なくモノトーン調なのがよりいっそう悲劇をひきたたせていますね
『メデュース号の筏』テオドール・ジェリコー
彼が生きていた時代に実際にあったお話が題材になっています。
王立海軍のメデューサ号という船が難破してしまい、救命ボートも満足になかったため乗客は即席で作られた筏に乗らざるを得ませんでした。
13日の漂流の末、150人いた乗客のうち救出されたのはたったの10人だったといいます。
しかもこの生存競争には暴力や人食いなども行われ、凄惨を極めたためフランス政府は事件を伏せていました。
生存者の証言により事件が明るみに出て、この事件に人々は大きなショックをうけたのです。

この事件に着想を得たジェリコーは、生存者に話を聞いたり死体安置所などに通いつめてデッザンを繰り返し、現実の事件をこの目で見たかのようなリアリティーを持って作品を仕上げました。
画面の右、水平線の先に本当に小さな船の存在が確認できます。
この船が彼らに気づくことなく遠ざかって行くところを、生存者たちが懸命に絶望と最後の希望の入り交じったサインを送るという緊張した一瞬を描いているのです。
右上に向かう人体のうねるような動きや、死、絶望、恐怖、諦め、嘆願、歓喜の青白い人体をさらに劇的に描く明暗表現、見るものをドキドキさせるような緊張感がここにはあります。
もちろんサロンでは注目を集めます。
残酷な場面にロマン主義の作品として絶賛する人もいれば、リアルな死体表現に嫌悪感を抱く人もいました。
みなさんはどんな気持ちでこの作品をご覧になるでしょうか?

というわけで、次回はルーヴルのフランス絵画シリーズの最終回としてコローの風景画についてご紹介したいと思います。



住所   rue de Rivoli 75001(正式な住所はMusée du Louvre。メトロを出たらすぐわかると思います)
メトロ  1番線、7番線 Palais Royal-Musée du Louvre
開館時間 水曜日から月曜日 9時から18時(水曜日と金曜日は22時まで)
チケット 常設展とドラクロワ美術館 9ユーロ (水曜日と金曜日の18時から6ユーロ)
ナポレオンホールの企画展のみ 9.5ユーロ
常設展と企画展 13ユーロ (水曜日と金曜日の18時から11ユーロ)
毎月第1日曜日は入場無料
日本語公式サイト


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by paris_musee | 2009-10-19 00:00 | 有名ミュゼ
さすがは本場、充実のフランス絵画 パート8 ルーヴル美術館ドゥノン翼の1er étage(日本式2階)

時間がなくて写真を撮りに行くことがいまだにできないのですが、お待たせしてばかりなのでルーヴル美術館の続きを書くことにします。
写真はwikipedia franceよりお借りしています。
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このデッサンが、ジャック・ルイ・ダヴィッドによって描かれた処刑場に向かう最後のマリー・アントワネットの肖像画です。
前回のルーヴル美術館の回では、ルイ16世とマリー・アントワネットの治世が新古典主義だったとお伝えしました。
が、ご存知の通り彼らはギロチンにかけられて処刑されてしまいます。
マリー・アントワネットが処刑される日、おんぼろの荷台に乗せられてコンコルド広場まで連行される様子をカフェのテラスでスケッチした人物がいるんです。
それが今日お話しする新古典主義の代表画家、ジャック・ルイ・ダヴィッド。

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新古典主義絵画の特徴をまんべんなくちりばめた彼の代表作です
ルイ16世が彼に初めて注文して作らせた作品が『ホラティウス兄弟の誓い』。
これはかなり好評で、ちょっと画家デビューの遅かった彼を一気に有名にした作品です。
モチーフとなったお話はローマ時代のもので、決着のつかない国同士の争いにピリオドをつけるため、ホラティウス家の3人の兄弟が父に「国をかけて果敢に戦います!」と宣言する場面です。
不穏な空気が漂うフランスに、愛国心と忠誠心を誓うというモチーフで作品を描かせたのですね。

この作品、とっても新古典主義のにおいがプンプンします。
まずローマ時代の歴史的な話がモチーフになっていて、マジメな話です。
室内装飾はスッキリしていて、登場人物の衣服も原色が多い。
カッチリと画面を安定させる技が隠れています。数字の3、三角形、直線。
ローマ時代のアーチ型建築が3つに分かれているので、私たちは自然と真ん中にいるお父さんに目がいきます。
足の形がつくる三角形も、剣と誓いの手と足を結んだ三角形もあります。
でもあんまりカチカチすると不自然なので、右側に3人の悲しみにくれる女性が柔らかい曲線を描いてメリハリをつけています。

新古典主義の作品は、ギリシャローマのマジメな話や当時のシンプルな衣装、建築装飾、そして水平や垂直線、三角形、3という数字をちりばめているのが特徴です。
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これとほぼ同じものがヴェルサイユ宮殿にもあります
ダヴィッドは血なまぐさいフランス革命に参加したんですが、ブルボン王朝が倒れたあとに君臨したナポレオンに重用され、首席画家となります。
このお部屋であっと驚く大きさの作品が『皇帝ナポレオン1世と皇后ジョセフィーヌの戴冠式』6m x 9mちょっとあるそうです。
1804年にパリのノートル・ダム寺院で実際に行われたセレモニーを描いた大作です。
登場人物も本物に似せて描いたため、ナポレオンは出席者を言い当てて楽しんだそうですよ。
中央で王妃に冠をかぶせているのがナポレオン。ひざまづいているのがジョセフィーヌ王妃。
中央上部で座っているのがナポレオンの母親、画面左の男性はナポレオンの兄弟、女性たちは彼の姉妹、右側は大臣などがいます。
ナポレオンの後に座っているのが教皇、そしてダヴィッドと奥さんも自身もちゃっかりお母さんの座っている左後ろあたりに描き込まれています。
ちなみにナポレオンのお母さんはこの式には参加してなかったのですが、やはり母からの祝福があった方が格好がいい、ということで特別出演しています。

さて、こちらもやっぱり新古典主義の作品なので、特徴を見て行きましょうか。
柱が3つあり、ちょうどその真ん中にナポレオンがいますね。
人々や室内装飾もちゃんと垂直方向の直線を形作っています、ひな壇や階段は水平線ですよね。
ひざまづいたジョセフィーヌの体が三角形を作っています。
衣装もエンパイヤ様式といって、ちょっとギリシャ風(当時流行っていたようです)になっています。
色も赤や紺、金といったハッキリした色です。
これだけ人物が多くてゴチャゴチャしそうな空間ですが、とっても荘厳な張りつめた空気が感じられる威厳のある作品になっています。

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レカミエ夫人が着ているギリシャ風の洋服をアンピール様式って言ったりします。ナポレオン帝国(=エンペラー)の様式ということですね
もうひとつ、私が好きなのがレカミエ夫人という実在の人物を描いた作品。
彼女は銀行家のご夫人で、当時の芸術家や有識者を集めたサロンを開いていた有名なマダムです。
この作品、ギリシャ風の衣装をつけた夫人が、長椅子にくつろいで座っているというだけのシンプルなもの。
でもランプの垂直線や長椅子の水平線、ちょっとその緊張を解くように垂れる衣服のひだが絶妙です。
人物画にしては大きなキャンバスは、本当なら歴史画を描くために用意されたサイズなのだそうです。
きっと新古典主義の大家であるダヴィッドは、ここにレカミエ夫人を歴史の1ページとして、理想的な女性美として描いた、と考えるのは行き過ぎでしょうか。
実はレカミエ夫人が気に入らなかったのか、この作品は未完成のままなのだそうです。
ちなみにルーヴル美術館の美術工芸コーナーには、このレカミエ夫人が実際に使っていたベッドや家具が展示されているんですよ。
彼女のものではありませんが、この作品で描かれているのと同じ長椅子もすぐとなりに展示されています。

来週はこのお隣の部屋、ロマン主義の大作をご紹介して行きたいと思います。


住所   rue de Rivoli 75001(正式な住所はMusée du Louvre。メトロを出たらすぐわかると思います)
メトロ  1番線、7番線 Palais Royal-Musée du Louvre
開館時間 水曜日から月曜日 9時から18時(水曜日と金曜日は22時まで)
チケット 常設展とドラクロワ美術館 9ユーロ (水曜日と金曜日の18時から6ユーロ)
ナポレオンホールの企画展のみ 9.5ユーロ
常設展と企画展 13ユーロ (水曜日と金曜日の18時から11ユーロ)
毎月第1日曜日は入場無料
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by paris_musee | 2009-10-12 00:00 | 有名ミュゼ
ロンドンミュージアム part 2 ヴィクトリア&アルバート博物館 V&A museum

今回はロンドンのびっくりデザインミュゼのご紹介です。
パリの装飾美術館の作品群もすごいのですが、もっと度肝を抜かれるのがV&A museumです。
こちらの博物館は3回目の渡英にして初めての訪問でした。
こんなにすごいとわかっていたらもっと時間をたっぷりとったのに...というくらい大きな博物館です。

今回は自由時間に限りのある滞在でしたので、ほんとうに駆け足で回りました。
私が観た中で面白かったものをご紹介したいと思います。

この博物館の収蔵作品は「芸術とデザイン」に関するありとあらゆるもの。
もらってきたパンフレットによると、
level0はヨーロッパの1600-1800の作品と中世ルネサンスの作品の一部。
level1はアジア(中国、中東アジア、日本、韓国、南アジア、東南アジア)の芸術品が展示されています。
他にはヨーロッパの中世ルネサンス、北方ルネサンス、ルネサンスの巨匠ラファエルロ、ファッション、企画展があるようです。
level2は1500-1760年のイギリスの作品。
level3は20世紀のものと金・銀・モザイク、宝飾品、鉄製品、金属製品、絵画、細密肖像画、版画・ドローイング、ステンドグラス、銀製品、タピスリー、テキスタイル、演劇などのジャンルの工芸作品が展示されています。
level4は建築物と1760-1900年のイギリスの作品。
level6はセラミックの作品が展示されているとのことです。
3000年におよぶ世界遺産、そして世界一のデザインに関する収蔵品を誇るミュージアムです。
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中央のライトが現代作家の作品。ぼんやりと照らされているのが17世紀の高級家具です
私たちはメトロからのびる地下通路から入って来たので0階のヨーロッパ1600-1800年代の工芸品から観ました。
たまたまロンドンのデザイン・ウィークと重なっていたため、常設展示に現代の作家によるデザイン作品(照明でした)が展示されていました。
ルーヴル美術館やヴェルサイユ宮殿などでもたまにやっていますが、権威ある美術館に現代作家の作品が融合する展示はとても面白い!
ただ、今回は「照明」の作品だったため、会場内はそのライティングしかなく、暗くて古い作品の細部がよく観れなくて残念でした。
もっと昔の家具に施された壮麗な寄木細工(マルケトリー)などが観たかったんですけどね。

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さすが紅茶の国。茶器やアフタヌーンティの展示もありました
そのままlevel2にあがりヨーロッパの中世後期からロココ時代くらいまでの家具などを見学。
パリの装飾美術館やカルナヴァレ美術館などでおなじみの家具たちでしたが、家具だけでなく衣服や小さな遊具なども一緒に展示してあり、その時代の生活がわかるような展示でした。

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こちらが布地が収納された古めかしい木棚。ひとつひとつ引き出してじっくりみることができます
level3はほとんど部屋ごとに「金・銀製品」「宝飾品」「テキスタイル」などと分かれていて、どれもが充実した内容。
中でもテキスタイルのお部屋は大きな木製の棚に布がたくさん収納されていて、ひとつひとつ引っ張りだしながら見学できるのがすごいです。どれくらいの数があるのでしょうか?

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ある演目で使われた衣装。トーストや目玉焼き、ソーセージにケチャップ!?どんな劇だったのでしょうか、観てみたい!
個人的に面白かったのが演劇関係のお部屋。
さまざまな衣装や小道具が展示されていて、演出家などのインタビュー映像や俳優さんたちの写真も飾られていて、ヴァラエティに富んでいました。
衣装を試着できるコーナーもありましたよ。
演劇ファンだったらもっともっと楽しめたに違いありません。
それから、装飾美術館の宝飾品コーナーも大好きですが、こちらの宝飾品コーナーはもっと充実していました。
あいにくここは写真禁止だったため、ご想像いただくしかありませんが、懐中時計の作り方などを説明したヴィデオが流されていたり、壁に展示してある作品だけでなく引き出しの中にもたくさん作品があって、とにかく面白かった!

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こちらは椅子を実際に組み立ててみるコーナー。意外と難しくて断念しました...
ここにあるような工芸作品(生活用品)って、時代が違えば「どのように使っていたんだろう?」とか「どうやって作ったんだろう?」という疑問がわいてくるのですが、この博物館はそれに見事に答えてくれているんです。
実際に触れたり、組み立てたり、ヴィデオや音声、パネルで作り方を解説したりする仕掛けがたくさんありました。
こういう体験型ミュージアムだと、ただ観るだけだった作品も理解が深まって記憶に残りますよね。
お子さんがいらっしゃる方には親子で一緒に勉強できて、退屈しがちなミュージアム巡りが楽しくなりそうです。
パリのミュゼはあまりこういうことをやっていませんので、すごく新鮮でした。

最後は閉館時間が迫ってしまい、ミュージアムショップにも寄れず出口を探して走り回るありさまでしたが、そんな駆け足で通ったファッションのコーナーもかなり充実していました。
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どれだけ巨大かわかりますか?観客の大きさと比べてみてください!!
途中で通った巨大な彫刻もびっくり仰天です。
これ、ローマのトラヤヌス帝の記念柱らしいです。
入りきらないので途中でポッキと折って並べてあります。
どうやって持って来たのでしょうね?
さすがは大英帝国!(フランス王国も人のこと言えませんけれどね)

この博物館は本当に時間切れで不完全燃焼。
多分1日あっても足りないでしょう。
フランスのミュゼはすごい!と思っていましたが、イギリスも侮れません。
パリからユーロスターでたった2時間、早めに買えば往復77ユーロという安売りチケットもあるので、パリ旅行のついでにロンドンまで足をのばすのもオススメです。
ちなみに、今回の滞在で物価の高さも食事のまずさも全然感じませんでした!
東京のような人口密度で少し疲れましたが、機会があれば何度でも訪れたい町になりました。
次回はV&Aにたっぷりと時間をかけて、評判のいいミュージアムカフェも堪能したいと思います。


Victoria and Albert Museum
Cromwell Road
London SW7 2RL
開館時間:毎日    10:00 ~ 17:45  
     毎金曜日  10:00 ~ 22:00 (一部の展示室は 18:00 以降もオープン。)
     12 月 24/25/26 日はクリスマス休暇のため休館
メトロ(Underground):サウスケンジントン地下鉄駅(ピカデリー線またはサークル・アンド・ディストリクト線)

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by paris_musee | 2009-10-05 00:00 | 有名ミュゼ
ロンドンミュージアム part 1 テートモダン Tate Modern 

ルーヴルの回がなかなか更新できなくてごめんなさい。
先日ロンドンに行ってきましたので、2週にわたってロンドンのミュゼ情報をお送りしたいと思います。
その間にルーヴルの写真を撮ってきますね。

私がロンドンを訪れたのは今回で3回目。
でも前回はパリに住み始める前の2001年だったと思います。
8年以上も前の記憶はかなり曖昧。
当時は現代美術オタクだったので、2000年にオープンしたこのテート・モダンは絶対に外せない美術館だったのは覚えています。

f0197072_3384072.jpg
この辺は昔から工業地帯だったのですが、火力発電所の閉鎖後、文化が都市を変える!ということでテートモダンが誘致されたのだそう
さて、このレンガ作りの大きな建物、1981年に閉鎖された火力発電所を改装したもの。
昔のぼんやりとした記憶をたどりながら美術館の前に来てみると、テムズ川をのぞむ数メートルのスペースは芝生が敷かれ、キオスクでコーヒーや軽食が売られていました。
ベンチや芝生に座りながら、巨大なテートモダンを背に、目の前に広がるテムズ川を見つつみんなおしゃべりをしていました。
たしか2001年にはまだこんなスペースはなかったような...。
地上階のカフェもガラス張りで優雅に景色を見ながらのんびりとできます。
とっても贅沢な空間。地域性と公共性にこだわった美術館というだけあって、現代美術が敷居が高いと思っている人にも利用しやすい建物になっています。

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テートモダンの目の前はテムズ川。その向こう岸に見えるのがサンポール寺院です
7階建ての美術館ですが、メインエントランスのある地下階(level1)はタービンホールと呼ばれる吹き抜けがあって、2001年当時たしかルイーズ・ブルジョワのクモの作品(六本木ヒルズにもあります)が展示してありました。
が、現在は工事中。10月中旬から新しい展示が始まるらしいので、展示替えだったようです。残念。
でもおみやげものから書籍まで豊富な品揃えのミュージアムショップは必見です。
前述のテムズ川をのぞむ地上階(level2)にはカフェと小さなショップが。

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level3のこの展示室はStates of FLUXというテーマ。キュビズムやダダイズム、ポップアートやプロパガンダアートが展示されていました
常設展示は3階(level3)と5階(level5)。こちらは入場料が無料です!
この美術館が画期的とされた理由のひとつは、どうしても「年代順」に並べがちな展示作品を「テーマごと」にカテゴライズした点です。
テートモダンなのでだいたい1900年代以降の作品を所蔵しているのですが、例えば1900年代のキュビズムの作品のとなりに1960年代のポップアートが並んだりしているのです。
現代美術は「**イズム」と呼ばれる様式がコロコロ変わってとても複雑だし、「お勉強」的になってしまうのですが、ここではそういう知識はそっちのけで、目の前の作品を純粋に観ることができるのです。
今回のテーマは「Poetry and Dream」「Material Gestures」「States of Flux」「Energy and Process」でした。
2001年当時とはテーマも変わっているので、定期的に展示替えをしているのだと思います。
これらのテーマをもとに集められた作品が、新旧関係なくどっさりと展示されていて見応えがありました。
展示室内は写真撮影が禁止だったのでお見せできないのが残念です。

時間がなくて行きませんでしたが、4階(level4)はいつも企画展示。
今回は「Pop Life」と称して現代アメリカが誇る超ポップアーティストのジェフ・クーンズや、日本代表の村上隆の作品まで「pop」をテーマに面白い作品が集められたようです。
ちなみに企画展の入場料は12.50ポンド。日本円にして1800円ちょっとなので、かなりいいお値段ですよね。

今回は行けませんでしたが、7階(level7)のカフェはとってもオススメ。
テムズ川だけでなくセントポール寺院などロンドン中心街を俯瞰できる気持ちのよいカフェです。
8年前の記憶ですが、カプチーノを頼むとココアで「TATE」という文字を書いてくれました。
今よりポンドが高かった当時、お値段もそんなに高くなかったような気がします。

f0197072_3411225.jpg
展示室前のエスカレーターホールの壁には、1900年からの**イズムと代表的なアーティストの名前が年代順に描かれています。ホントに複雑
この美術館がすごいな、と思うのは無料のガイドツアーがあったり、軽量の簡易パイプ椅子を自由に持ち歩くことができるのでいつでもどこでも休憩ができたり、バリアフリーはもちろん、視覚聴覚障害者にも美術鑑賞ができるようなプログラムがあるということです。
金曜日と土曜日は夜10時まで空いていますし、常設展なら無料なので、現代美術に縁がなかった人も是非行ってみてください。

Tate Modern(日本語もあります)

住所:Bankside
London SE1 9TG
電話:020 7887 8888
メトロ:(underground)サザーク (Southwark) 駅(ジュビリー (Jubilee) 線)
または ブラックフライヤーズ (Blackfriars) 駅(ディストリクト (District) 線と (Circle)
(サークル)線)から徒歩で約10分
開館時間:日曜日~木曜日 10:00~18:00
     金曜日と土曜日 10:00~22:00
休館日:12月24日、25日、26日

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by paris_musee | 2009-09-28 00:00 | 有名ミュゼ
さすがは本場、充実のフランス絵画 パート7 ルーヴル美術館 リシュリュウ翼+シュリー翼2e(3階)
美術史なんかを年代順に見て行くとき、いっつも前の時代の**主義を否定するような新しい**主義というのが生まれるんです。
古代ギリシャローマ→中世キリスト教芸術→イタリアルネサンス→バロック→ロココ→新古典主義→ロマン主義...
ここまでの変遷がルーヴル美術館で見ることができるんですよ!

そしてそれ以降はパリならオルセー美術館、ポンピドウーセンター、パリ市近代美術館などでご覧頂けます。
ルーヴル美術館以降の19世紀や20世紀はこの**主義の新旧入れ替わりが激しくて、
やたらと**主義**イズムということばが先走って頭がこんがらがってしまいます。
でもとりあえずロマン主義くらいまでは**主義の特徴をつかんでおくと、
同じように見える古い絵のひとつひとつが際立って見えて来るかもしれません。

さて今日は終盤の新古典主義について見て行きたいと思います。
ネオクラシシズムと言ったりもします。

ダイナミックで明暗対比が激しいバロック絵画(フランスでは「古典主義」)が流行遅れになると、
情緒的で牧歌的な繊細優美のロココ絵画が流行りました。
ではそんなロココ絵画に反発した新古典主義はどんなものだったでしょうか?

かなり語弊があるのを承知で分類しますと(左がロココ→右が新古典主義)、
女性的→男性的
ファンタジック→歴史的
ふわふわ→カッチリ
享楽的→理性的
パステルカラー→原色使い

単純化してしまうとバロックの特徴に似ていなくもない...。
でもロココの反対なのですが、バロックに後戻りしてしまうのではなくて、また違う方向転換をするんです。
その理由のひとつが、18世紀前半にイタリアのポンペイで遺跡が発掘されたこと。
火山で一瞬のうちに失ってしまった古代ローマ遺跡が、当時の面影を残したまま発掘されたのです。
当時のヨーロッパ人は古代ローマに熱狂しまくり、美術批評家が古代ギリシャ絶賛の批評を発表しました。
バロックがお手本にしたのは「古代ギリシャローマを模倣した盛期ルネサンスの影響を受けたイタリア人画家」でしたが、
新古典主義がお手本にしたのはそのままの「古代ギリシャローマ」だったんです。
では具体的に見て行きましょう。
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廃墟趣味のユベール・ロベール。日本では彼の存在はあまり知られていないようですが、いろんな美術館で彼の作品を見かけます。多作だったのと、フランスではかなり有名な画家なのでしょう
ユベール・ロベールは廃墟ばっかり描いています。
ポンペイ遺跡の発掘によって、ヨーロッパのインテリたちは考古学をたしなむようになったので、
ユベール・ロベールの作品がウケた理由もわかるような気がします。
ここにあるのはフランスのプロヴァンス地方に残っている(今もあります!)古代遺跡。
ニームにある古代ローマ風寺院のMaison Carréとか世界遺産にも登録されている水道橋Pont du Gardです。
ルーヴル美術館が廃墟になったら?と想像して描いた作品もありますよ。
この人を新古典主義の画家!と断言することはできないのですが、当時の時代精神を後世に伝える画家として有名です。
パリではカルナヴァレ美術館やジャック・マール・アンドレ美術館などにも収蔵されています。
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プチトリアノンにある肖像画。彼女の欠点だった高慢ちきな唇が程よく隠されていると言われています
この新古典主義の時代の為政者はルイ16世とマリー・アントワネットでした。
浪費家の王妃の印象が強いせいで、マリー・アントワネット=ロココと間違えて流布していることがありますが、
実際にはデコデコしてきらびやかなロココを嫌い、スッキリとした新古典主義を好みました。
ただ、絵画にはあんまり興味がなかったらしく、家具などの美術工芸は発展しましたが彼女に寵愛された画家はとくにいなかったようです。
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こんな風に可愛らしく描いてもらえるなら嬉しいですよね
でも、唯一エリザベス・ルイーズ・ヴィジェ・ルブランという女流画家の描く肖像画がうまくかけているので大好きだったそうです。
ヴェルサイユ宮殿のプチトリアノンに飾られているマリー・アントワネットの肖像画は彼女によるもの。
そしてルーヴルにある作品は彼女(マダムヴィジェ・ルブランとあります)の自画像。一緒に写っているのは彼女の娘さん。
ふたりともとても愛らしく優しい表情をしています。王妃が好んだのも納得。

さて、新古典主義と言ってこの画家を挙げないわけにはいきません。
フランス絵画史上かなりな有名人、そしてルーヴル美術館でも目玉作品を描いたジャック・ルイ・ダヴィッドです。
今までご紹介して来たリシュリュウ翼とシュリー翼の2e étage(日本式3階)にはダヴィッドとその弟子の部屋があるものの、特筆すべき作品はドゥノン翼の1er étage(日本式2階)にフランスの新古典主義の大作を集めた部屋に展示されています。

勝手ながら来週は更新をお休みさせていただきます。
再来週は新古典主義の巨匠、ダヴィッドの大作をいくつかご紹介しますね。




住所   rue de Rivoli 75001(正式な住所はMusée du Louvre。メトロを出たらすぐわかると思います)
メトロ  1番線、7番線 Palais Royal-Musée du Louvre
開館時間 水曜日から月曜日 9時から18時(水曜日と金曜日は22時まで)
チケット 常設展とドラクロワ美術館 9ユーロ (水曜日と金曜日の18時から6ユーロ)
ナポレオンホールの企画展のみ 9.5ユーロ
常設展と企画展 13ユーロ (水曜日と金曜日の18時から11ユーロ)
毎月第1日曜日は入場無料
日本語公式サイト


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by paris_musee | 2009-09-07 00:00 | 有名ミュゼ
さすがは本場、充実のフランス絵画 パート6 ルーヴル美術館 リシュリュウ翼+シュリー翼2e(3階)

まだまだルーヴル美術館は続きます。

先週はルイ14世時代の絵画についてお話ししましたので、次はルイ15世に行きましょう。
絶対王政のフランスがルイ14世によって確立すると、「2代目」は攻めでなくて守りの体制に入ります。
絢爛豪華、荘厳華麗なアートは好まれず、軽妙洒脱、優美繊細なアートが流行ります。
前者に比べて格段に「女性的な」ものが多いんです。
この時代のアートを総称してロココ様式と呼んだりします。
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これがポンパドール夫人。パステルで描かれているので、よりいっそう柔らかな表現になっています。ちなみに日本のパン屋さんで「ポンパドウル」という名前のお店がありますよね。実はポンパドール夫人の優雅なイメージを「おもいきり高級で優雅な欧風ベーカリー」というコンセプトに重ね合わせた命名なんだそうです。ロゴマークにも彼女のお顔が使われているのでチェックしてみてください
ちなみにポンパドール夫人という好色家ルイ15世のお妾がいるのですが、彼女がこのロココ様式の牽引者。
現在のセーヴル磁器工場は彼女によって設立され、サロンを主催しては芸術家を庇護しロココ様式の発展に貢献しました。
愛人ではありましたが、彼女なくしては語れないほどルイ15世に影響を与えた人物なのです。

ロココ様式、家具ですと植物や貝などのモチーフが好まれ、曲線を多用してアシンメトリーな細かい装飾が増えます。
絵画ではキューピッドが空を舞う、植物や花に囲まれた愛をテーマにしたテーマを、パステルカラーでふんわりと描いたものが登場します。
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この作品の細かい部分をクローズアップした画像で見ることが多かったからか、実物は案外小さくて驚きました。こういう驚きもホンモノを見るときの醍醐味ですよね
有名な作品はアントワーヌ・ヴァトーによる『シテール島への巡礼』。
たくさんのカップルが描かれているのですが、同一人物をコマ送りにした絵画と見ることもできます。
木々が生い茂る画面右に座って愛を語り合う男女がいます。
左に行くに従って、2人は立ち上がり、未練があるかのように振り返り、
キューピッドたちに祝福されながら小舟に乗って光輝く水平線のむこうにある愛の島シテール島へ出航するという場面です。
彼は37歳で夭折しましたが、ロココ様式の絵画の幕開けを担った有名な画家です。
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光がちょうど当たる配置だったので、上手に撮影できませんでした。でも生き生きとした肌の感じはおわかりになるでしょうか
フランソワ・ブーシェ『水浴のディアナ』
ローマ神話の多産や狩猟、純潔の象徴であるディアナが女性の精霊ニンフとともに水浴している場面です。
なんとも優美で官能的な裸体表現ですよね。輝くみずみずしい肌の描き方も特徴的です。
実は印象派のルノワールもせっせとここに通いつめて模写をしたんだそうです。
ルノワールの官能的な裸体表現のモトはここにあったのかもしれません。
ちなみにブーシェはポンパドール夫人の寵愛を受け、晩年は首席画家として活躍しました。
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こちらの作品は自画像です。wikipedia Franceからお借りしました
ロココ様式の最後期を飾ったのがジャン・オノレ・フラゴナール。
ブーシェに学んだ画家です。
彼はフランス革命後もルーヴル美術館の作品管理の仕事に就くなど、芸術とともに生きた人物なのですが、
後半は絵をほとんど描くこともなく(フランス革命による政変とも関係がありますが)、
画家としての名声は忘れ去られひっそりとこの世を去りました。
この人の特徴は速筆。近くで作品を見ると荒い筆致で描かれているんです。
その速筆が画面に軽さや空気感をもたらしているんですね。
あえてアカデミーにはどっぷり浸からず貴族などをパトロンにして生活をしていたので、
彼らの肖像画がたくさんルーヴルでご覧頂けます。
表情の高貴さや愛らしさ、ものごしの優美さなどはロココの時代精神を表しています。

いかがでしたか?
18世紀前半の安定したブルボン王朝の文化的成熟を背景にした、うっとりとするような繊細優美なロココ絵画。
ルイ15世の政治が終わるとまた絵画様式も変化します。


住所   rue de Rivoli 75001(正式な住所はMusée du Louvre。メトロを出たらすぐわかると思います)
メトロ  1番線、7番線 Palais Royal-Musée du Louvre
開館時間 水曜日から月曜日 9時から18時(水曜日と金曜日は22時まで)
チケット 常設展とドラクロワ美術館 9ユーロ (水曜日と金曜日の18時から6ユーロ)
ナポレオンホールの企画展のみ 9.5ユーロ
常設展と企画展 13ユーロ (水曜日と金曜日の18時から11ユーロ)
毎月第1日曜日は入場無料
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by paris_musee | 2009-08-31 00:00 | 有名ミュゼ
さすがは本場、充実のフランス絵画 パート5 ルーヴル美術館 リシュリュウ翼+シュリー翼2e(3階)


今回はフランス絶対王政の最盛期の絵画についてお話ししたいと思います。
ときは17世紀中頃から18世紀はじめ、舞台はヴェルサイユ宮殿、主人公はルイ14世です。
とにかくルイ14世は絶対的な権力を手にし、国土を広げ、フランスをヨーロッパの強国にしました。
そんな彼を太陽王と呼んだり、ギリシャ神話における全知全能の神ゼウスの息子アポロンになぞらえたりしています。
ヴェルサイユ宮殿もものすごく広大でありながら、それをルイ14世中心に機能させる建築物の配置や細かな儀式がとりきめられたりしています。

ヴェルサイユのイメージをどこかでご覧になった方は何となく雰囲気がわかるかと思いますが、
この時期のアートの特徴は「絢爛豪華」のひとことで言い表すことができます。
威厳を表すことのできる雄々しいモチーフ(太陽、獅子、アポロン、武器)を使ったり、金色を多用したり、絵画や彫刻ならばとても大きいものが好まれました。
パっと見たときに「おぉ!」と驚いたり、「強そう!」と感じるものが多いですね。
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シャルル・ルブランのお部屋。手前にいる外人さんと比べてもとーっても大きいことがわかると思います
さて、ルーヴル美術館にあるルイ14世時代の絵画の代表と言えば、シャルル・ルブランのものでしょうか。
ルイ14世のライバルだったニコラ・フーケのヴォー・ル・ヴィコント城の装飾も手がけています。
ルイ14世が即位すると首席画家として活躍します。
ヴェルサイユ宮殿の有名な鏡の間の天井画も彼のものなんですよ。

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こちら一番小さな『アレクサンドロス大王の勝利』
ルーヴルの大きな展示室には彼の作品が4点あります。
『アルベラの戦い』『アレクサンドロス大王とポロス』『グラニコス川の渡り』『アレクサンドロス大王の勝利』
タイトルを見ても戦争がモチーフになっていると予想できますよね。
最後の『アレクサンドロス大王の勝利』が約4.5mx7mの画面ですが、他の3つは約5mx12mの大きさの画面です。
面積にすると私の家より大きいです!
描かれている兵士や馬も実物よりもずっと大きく、近づいてみると精密には描かれていないんですが、とにかくダイナミックですごい迫力なんです。

この画家シャルル・ルブランは相当ルイ14世に気に入られていたようで、
絵画・彫刻アカデミーの総裁、王立ゴブラン織製作所の監督など
王の芸術に関する役職は独り占め状態だったらしいです。

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画家のリゴーの名前はそんなに有名じゃないけれど、ルイ14世といえばいつも彼の描いたこの威風堂々とした肖像が使われています
もうひとつご紹介したい作品があります。
肖像画家ヤッサント・リゴーの『ルイ14世の肖像』。
即位してから60年くらい経った頃の肖像なのでかなり年をとっているのですが、それだけに王の威厳はバッチリと描かれています。
世界史の教科書で使われている肖像も彼の作品だったので、ご存知の方も多いかと思います。

フランスのおもちゃ屋さんに行くと、動物や恐竜、騎士や貴族などの10cmくらいのミニチュア人形がたくさん売っています。
子供やマニアの大人向けの人形なのですが、その中にリゴーのルイ14世がいるんです。
大量生産なのでできの悪いものもありますが、見つけたときはちょっと嬉しい気分になりました。
おもちゃ屋さんだけでなく美術館のおみやげコーナーにもあったりするので、欲しい方は探してみてください。


住所   rue de Rivoli 75001(正式な住所はMusée du Louvre。メトロを出たらすぐわかると思います)
メトロ  1番線、7番線 Palais Royal-Musée du Louvre
開館時間 水曜日から月曜日 9時から18時(水曜日と金曜日は22時まで)
チケット 常設展とドラクロワ美術館 9ユーロ (水曜日と金曜日の18時から6ユーロ)
ナポレオンホールの企画展のみ 9.5ユーロ
常設展と企画展 13ユーロ (水曜日と金曜日の18時から11ユーロ)
毎月第1日曜日は入場無料
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by paris_musee | 2009-08-24 00:00 | 有名ミュゼ
さすがは本場、充実のフランス絵画 パート4 ルーヴル美術館 リシュリュウ翼+シュリー翼2e(3階)
皆様、夏休みはいかがおすごしでしょうか。
先週は勝手ながらお休みを頂きました。
今週もまたルーヴル美術館のフランス絵画の続きをお送りします。

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外からの光が強くてななめからの写真になってしまいました...
こういう作品、ご覧になったことがありますか?
私は学生時代の美術の時間に、やたらとしわをよせた布の上のワインのボトルやフランスパン、レモンや本を描かされた記憶があります。
布のやわらかいしわやガラス瓶の光沢、その他のモチーフの質感の違いがなかなか描けなくて、とても苦労しました。
こういう静物画を見ると、やっぱり画家は上手なんだなーと当たり前ながら感心してしまいます。
きっと画家にとって、ガラスの透明感や植物のみずみずしさ、布の柔らかい質感、紙のペラペラした質感なんか、まさに画家の技量を存分に発揮できるモチーフだったんでしょうね。

だからといって、「ホラ、上手だろうー!」と自己満足に浸るためにこういう絵を描いたんじゃないんですよね。
17世紀頃になると、教会や王様だけでなく、お金持ちになった市民も画家に絵を依頼するようになります。
彼らの家は教会や宮殿なんかに比べたらとても小さいので、作品のサイズも小さくなるし、あまり仰々しい宗教画よりはインテリアの邪魔にならないような風景画や静物画が好まれるんです。
オランダをはじめ、17世紀にはガーデニングも流行り、自然に対する関心も高くなってくるのに関係があるのかもしれません。
フランスは他の国から遅れて静物画というジャンルが成立しました。
フランス人の静物画家としては、この『チェス盤のある静物』を描いたリュバン・ボージャンが第一人者と見なされています。
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もう一度じっくり観てみましょう
さて、この絵に描かれているものを見てみましょう。
まず右奥にあるのが八角形の鏡、でも何も映っていません。
手前に半分に折ったチェス盤があって、手前にはトランプ、ベロアのお財布、リュート(弦楽器)、楽譜。
奥にはグラスに注がれたワインとパン。
そして画面中央にカーネーションを挿した水の入った透明の花瓶が描かれています。

材質は木、ベロア、紙、水、植物、パン、ガラスですね。
質感もバッチリ描き分けられています。

こういう静物画はだいたい「五感」が描かれています。
視覚ー鏡
聴覚ーリュート
触覚ーお財布、チェス盤、トランプ
味覚ーパン、ワイン
嗅覚ーカーネーション
こちらも完璧。

そして、静物画なのにちょっと宗教的というか、教訓めいたことが暗に示されているんですよ。
パンとワインはキリストの肉と血を表していますし、
お財布やチェス、トランプは賭け事、つまり享楽や人間の堕落を表します。
ギターは恋の企みに使われますし、花ははかなさの象徴です。
希望を映し出すはずの鏡が真っ暗なので、これもいずれ死を迎えるという示唆です。
全部ひっくるめると、人間の営みには限りがあるんだから、賭け事や恋愛といった快楽にばかりうつつを抜かして堕落せずに、信仰心を持って生きなさいということでしょうか。
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ジャック・リナールのこちらの静物画は何が描かれているでしょうか?
静物画じゃなくてもこういうモチーフはよく出てくるんですが、他には、
本、科学や数学の道具は知のはかなさを、硬貨、宝石、武器、王冠は富や権力のはかなさを、そしてタバコやお酒、楽器やゲームは享楽のはかなさを表します。
骸骨や時計、砂時計、ろうそくの火、花は人生のはかなさを、麦の穂や月桂樹は永遠の生の復活のシンボルだったりします。
静物画でもとりわけヴァニテと細かいジャンル分けをしたりもします。ヴァニテとは「むなしさ」のことです。
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こちらのジョルジュ・ドゥ・ラ・トゥールの『マグダラのマリア』もこの原則が生きています。骸骨=避けられない運命(死) 鏡=人間のはかなさ 炎=使い果たされてしまう時間を象徴。ちなみに彼の有名な『大工の聖ヨセフ』は日本に巡回中です!ルーヴル美術館展は今京都でしょうか?お近くの方、是非観に行ってくださいね
といっても、高校の美術の先生が現代に「人生は無常なので信仰心を!」というメッセージを伝えたくて静物画を描かせる訳がないので(日本ですしね)、静物画はやっぱり絵の技術をはかるのにもってこいのジャンルなのです。
17世紀当時でも、教訓的メッセージはあるものの、モチーフの質感の描き分け、モチーフの配置の妙、色彩やボリューム感など美的価値観によって注文主から依頼が来たりしたのでした。
私たちもこういう作品を見るときに、単純に「うわ〜、本物のベロアみたい!」とか「おいしそうな果物!(よく見ると虫食いがあったりしますが)」とか「昔の人はこういう遊びをしてたんだー」と見たままに感じていいと思います。
でもこういう約束事を思い出すと、また別の視点からも鑑賞ができますよね。

今日は絵解きみたいなお話しになってしまいました。
ではまた来週!


住所   rue de Rivoli 75001(正式な住所はMusée du Louvre。メトロを出たらすぐわかると思います)
メトロ  1番線、7番線 Palais Royal-Musée du Louvre
開館時間 水曜日から月曜日 9時から18時(水曜日と金曜日は22時まで)
チケット 常設展とドラクロワ美術館 9ユーロ (水曜日と金曜日の18時から6ユーロ)
ナポレオンホールの企画展のみ 9.5ユーロ
常設展と企画展 13ユーロ (水曜日と金曜日の18時から11ユーロ)
毎月第1日曜日は入場無料
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by paris_musee | 2009-08-17 00:00 | 有名ミュゼ