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ルーヴルの回がなかなか更新できなくてごめんなさい。 先日ロンドンに行ってきましたので、2週にわたってロンドンのミュゼ情報をお送りしたいと思います。 その間にルーヴルの写真を撮ってきますね。 私がロンドンを訪れたのは今回で3回目。 でも前回はパリに住み始める前の2001年だったと思います。 8年以上も前の記憶はかなり曖昧。 当時は現代美術オタクだったので、2000年にオープンしたこのテート・モダンは絶対に外せない美術館だったのは覚えています。 さて、このレンガ作りの大きな建物、1981年に閉鎖された火力発電所を改装したもの。 昔のぼんやりとした記憶をたどりながら美術館の前に来てみると、テムズ川をのぞむ数メートルのスペースは芝生が敷かれ、キオスクでコーヒーや軽食が売られていました。 ベンチや芝生に座りながら、巨大なテートモダンを背に、目の前に広がるテムズ川を見つつみんなおしゃべりをしていました。 たしか2001年にはまだこんなスペースはなかったような...。 地上階のカフェもガラス張りで優雅に景色を見ながらのんびりとできます。 とっても贅沢な空間。地域性と公共性にこだわった美術館というだけあって、現代美術が敷居が高いと思っている人にも利用しやすい建物になっています。 7階建ての美術館ですが、メインエントランスのある地下階(level1)はタービンホールと呼ばれる吹き抜けがあって、2001年当時たしかルイーズ・ブルジョワのクモの作品(六本木ヒルズにもあります)が展示してありました。 が、現在は工事中。10月中旬から新しい展示が始まるらしいので、展示替えだったようです。残念。 でもおみやげものから書籍まで豊富な品揃えのミュージアムショップは必見です。 前述のテムズ川をのぞむ地上階(level2)にはカフェと小さなショップが。 常設展示は3階(level3)と5階(level5)。こちらは入場料が無料です! この美術館が画期的とされた理由のひとつは、どうしても「年代順」に並べがちな展示作品を「テーマごと」にカテゴライズした点です。 テートモダンなのでだいたい1900年代以降の作品を所蔵しているのですが、例えば1900年代のキュビズムの作品のとなりに1960年代のポップアートが並んだりしているのです。 現代美術は「**イズム」と呼ばれる様式がコロコロ変わってとても複雑だし、「お勉強」的になってしまうのですが、ここではそういう知識はそっちのけで、目の前の作品を純粋に観ることができるのです。 今回のテーマは「Poetry and Dream」「Material Gestures」「States of Flux」「Energy and Process」でした。 2001年当時とはテーマも変わっているので、定期的に展示替えをしているのだと思います。 これらのテーマをもとに集められた作品が、新旧関係なくどっさりと展示されていて見応えがありました。 展示室内は写真撮影が禁止だったのでお見せできないのが残念です。 時間がなくて行きませんでしたが、4階(level4)はいつも企画展示。 今回は「Pop Life」と称して現代アメリカが誇る超ポップアーティストのジェフ・クーンズや、日本代表の村上隆の作品まで「pop」をテーマに面白い作品が集められたようです。 ちなみに企画展の入場料は12.50ポンド。日本円にして1800円ちょっとなので、かなりいいお値段ですよね。 今回は行けませんでしたが、7階(level7)のカフェはとってもオススメ。 テムズ川だけでなくセントポール寺院などロンドン中心街を俯瞰できる気持ちのよいカフェです。 8年前の記憶ですが、カプチーノを頼むとココアで「TATE」という文字を書いてくれました。 今よりポンドが高かった当時、お値段もそんなに高くなかったような気がします。 この美術館がすごいな、と思うのは無料のガイドツアーがあったり、軽量の簡易パイプ椅子を自由に持ち歩くことができるのでいつでもどこでも休憩ができたり、バリアフリーはもちろん、視覚聴覚障害者にも美術鑑賞ができるようなプログラムがあるということです。 金曜日と土曜日は夜10時まで空いていますし、常設展なら無料なので、現代美術に縁がなかった人も是非行ってみてください。 Tate Modern(日本語もあります) 住所:Bankside London SE1 9TG 電話:020 7887 8888 メトロ:(underground)サザーク (Southwark) 駅(ジュビリー (Jubilee) 線) または ブラックフライヤーズ (Blackfriars) 駅(ディストリクト (District) 線と (Circle) (サークル)線)から徒歩で約10分 開館時間:日曜日~木曜日 10:00~18:00 金曜日と土曜日 10:00~22:00 休館日:12月24日、25日、26日 #
by paris_musee
| 2009-09-28 00:00
| 有名ミュゼ
先々週、ルーヴル美術館の新古典主義、ダヴィッドの大作をご紹介すると書きましたが、ここのところ少し忙しくて取材する時間がなかなかとれません。 今回は予定を変更して、パリの小さな美術館をご紹介します。 パリの9区、最寄り駅で言うと2番線のPigalleとBlancheと12番線のSt-Georgeの間にひっそりとたたずむこの美術館。 旅行者にはモンマルトルのサクレクール寺院がおなじみですが、もし時間があればモンマルトルの丘を上がるのではなく下ったところにある、このロマン派美術館にも是非寄ってほしい穴場スポットです。 Chaptal通りの16番地。 美術館は木々に囲まれた緑の小道を進んだ奥まったところにあります。 まさに「隠れ家」と呼ぶのがふさわしい、静かでこじんまりとした場所なのです。 この可愛らしい建物は、1830年に建築されました。 オランダ生まれのアリィ・シェフェール(Ary Scheffer)という19世紀前半を生きたロマン派の画家が住んでいた邸宅がそのまま美術館になっているんです。 サロン文化が大流行りの19世紀に、シェフェールもまた自宅にインテリの友達を招き入れて文学や絵画、音楽談義をしたといいます。 そのお友達は、ロマン主義絵画の第一人者ドラクロワ(こちらはまたルーヴル編でご説明しますね)、叙情たっぷりのピアノ曲が今でも有名なショパン、彼の恋人でもあった女流作家ジョルジュ・サンド、イタリアの作曲家でオペラノ楽曲を多く作ったロッシーニ、ハンガリー生まれでピアニストとしても活躍したリスト、ロシア出身の小説家ツルゲーネフ、イギリス出身の小説家ディケンスなどなど。 インターナショナルでなんとも豪華な顔ぶれですよね! 彼らが集まっていた場所は離れのサロン兼アトリエ。そして対になってるもうひとつのアトリエはアリィの兄弟のアトリエとなっていました。 現在では年に2回、この離れのアトリエで企画展(有料)が行われています。 さて、常設展をやっているかわいらしいおうちに一歩足を踏み入れるとそこは控えの間。 その次のお部屋にはジョルジュサンドが使った小物やアクセサリーなどの遺品やポートレートなどが展示されています。カーテンがぐるりと囲んでるのかと思ってよくみて見ると実は壁紙。 とってもキュートな空間です。 その次のお部屋は当時のインテリアを再現した豪華なお部屋となっています。 19世紀に流行った18世紀リバイバルの新古典主義調の家具が鎮座しています。 正面の暖炉の上に掲げられているのがジョルジュ・サンドの肖像画。 雰囲気のある素敵な女性で、数々の知識人と浮き名を流した人物。 次のブルーのお部屋にはジョルジュ・サンドが描いた風景が展示されています。 チェックの壁紙のお部屋にかかっているのはアリィの娘といとこの肖像画 小さな螺旋階段をあがるとまたお部屋があります。 2階は主にこの邸宅の主人であったシェファーの作品が飾られています。 アリィが描いた家族や親交のあった人々の肖像、他の画家が描いたアリィの肖像画などが展示されています。 親交のあったプリンセス・ジョワンヴィルの肖像画 シルクのドレスのしわや光沢、レースの繊細さなんかには脱帽です 彼はロマン主義の画家ですが、ロマン主義の激情的なスタイル(これもいづれお話ししますね)というより落ち着いた筆致で、人物の性格までも描き表すような精密な肖像画が多いです。 さすがはオルレアン公の子供たち(ひとりはのちのルイ・フィリップ王)に絵を教えていただけのことはありますね。 2階のお部屋もチェックの壁紙などがとてもおしゃれ。 本当に小さな小さな邸宅で、たった8部屋の展示室。 あっという間に美術鑑賞が終わってしまうのは残念でもありますが、時間に制限のあるパリ観光の中ではいいかもしれませんね。 いわゆる普通のフランス人の一軒家に近い間取りで、友達の家にお邪魔したような親密な空間が味わえます。 のんびりできるカフェからの眺め そして、そんな余韻に浸るなら絶対に併設のカフェでお茶をしましょう! 温室を改装したカフェは手作りのタルトやケーク・サレ(しょっぱいパウンドケーキ)などの軽食もありますよ。 Musée de la Vie Romantique Hôtel Scheffer-Renan 16 rue Chaptal 75009 Paris tel: 01 55 31 95 67 Metro: Saint-Georges, Blanches, Pigalle 開館時間 10:00~18:00 閉館日 月曜日、祝日 カフェ 4月の終わりから10月の中旬まで営業、11:30-17:30まで #
by paris_musee
| 2009-09-21 00:00
| 邸宅ミュゼ
美術史なんかを年代順に見て行くとき、いっつも前の時代の**主義を否定するような新しい**主義というのが生まれるんです。
古代ギリシャローマ→中世キリスト教芸術→イタリアルネサンス→バロック→ロココ→新古典主義→ロマン主義... ここまでの変遷がルーヴル美術館で見ることができるんですよ! そしてそれ以降はパリならオルセー美術館、ポンピドウーセンター、パリ市近代美術館などでご覧頂けます。 ルーヴル美術館以降の19世紀や20世紀はこの**主義の新旧入れ替わりが激しくて、 やたらと**主義**イズムということばが先走って頭がこんがらがってしまいます。 でもとりあえずロマン主義くらいまでは**主義の特徴をつかんでおくと、 同じように見える古い絵のひとつひとつが際立って見えて来るかもしれません。 さて今日は終盤の新古典主義について見て行きたいと思います。 ネオクラシシズムと言ったりもします。 ダイナミックで明暗対比が激しいバロック絵画(フランスでは「古典主義」)が流行遅れになると、 情緒的で牧歌的な繊細優美のロココ絵画が流行りました。 ではそんなロココ絵画に反発した新古典主義はどんなものだったでしょうか? かなり語弊があるのを承知で分類しますと(左がロココ→右が新古典主義)、 女性的→男性的 ファンタジック→歴史的 ふわふわ→カッチリ 享楽的→理性的 パステルカラー→原色使い 単純化してしまうとバロックの特徴に似ていなくもない...。 でもロココの反対なのですが、バロックに後戻りしてしまうのではなくて、また違う方向転換をするんです。 その理由のひとつが、18世紀前半にイタリアのポンペイで遺跡が発掘されたこと。 火山で一瞬のうちに失ってしまった古代ローマ遺跡が、当時の面影を残したまま発掘されたのです。 当時のヨーロッパ人は古代ローマに熱狂しまくり、美術批評家が古代ギリシャ絶賛の批評を発表しました。 バロックがお手本にしたのは「古代ギリシャローマを模倣した盛期ルネサンスの影響を受けたイタリア人画家」でしたが、 新古典主義がお手本にしたのはそのままの「古代ギリシャローマ」だったんです。 では具体的に見て行きましょう。 廃墟趣味のユベール・ロベール。日本では彼の存在はあまり知られていないようですが、いろんな美術館で彼の作品を見かけます。多作だったのと、フランスではかなり有名な画家なのでしょう ユベール・ロベールは廃墟ばっかり描いています。 ポンペイ遺跡の発掘によって、ヨーロッパのインテリたちは考古学をたしなむようになったので、 ユベール・ロベールの作品がウケた理由もわかるような気がします。 ここにあるのはフランスのプロヴァンス地方に残っている(今もあります!)古代遺跡。 ニームにある古代ローマ風寺院のMaison Carréとか世界遺産にも登録されている水道橋Pont du Gardです。 ルーヴル美術館が廃墟になったら?と想像して描いた作品もありますよ。 この人を新古典主義の画家!と断言することはできないのですが、当時の時代精神を後世に伝える画家として有名です。 パリではカルナヴァレ美術館やジャック・マール・アンドレ美術館などにも収蔵されています。 プチトリアノンにある肖像画。彼女の欠点だった高慢ちきな唇が程よく隠されていると言われています この新古典主義の時代の為政者はルイ16世とマリー・アントワネットでした。 浪費家の王妃の印象が強いせいで、マリー・アントワネット=ロココと間違えて流布していることがありますが、 実際にはデコデコしてきらびやかなロココを嫌い、スッキリとした新古典主義を好みました。 ただ、絵画にはあんまり興味がなかったらしく、家具などの美術工芸は発展しましたが彼女に寵愛された画家はとくにいなかったようです。 でも、唯一エリザベス・ルイーズ・ヴィジェ・ルブランという女流画家の描く肖像画がうまくかけているので大好きだったそうです。 ヴェルサイユ宮殿のプチトリアノンに飾られているマリー・アントワネットの肖像画は彼女によるもの。 そしてルーヴルにある作品は彼女(マダムヴィジェ・ルブランとあります)の自画像。一緒に写っているのは彼女の娘さん。 ふたりともとても愛らしく優しい表情をしています。王妃が好んだのも納得。 さて、新古典主義と言ってこの画家を挙げないわけにはいきません。 フランス絵画史上かなりな有名人、そしてルーヴル美術館でも目玉作品を描いたジャック・ルイ・ダヴィッドです。 今までご紹介して来たリシュリュウ翼とシュリー翼の2e étage(日本式3階)にはダヴィッドとその弟子の部屋があるものの、特筆すべき作品はドゥノン翼の1er étage(日本式2階)にフランスの新古典主義の大作を集めた部屋に展示されています。 勝手ながら来週は更新をお休みさせていただきます。 再来週は新古典主義の巨匠、ダヴィッドの大作をいくつかご紹介しますね。 住所 rue de Rivoli 75001(正式な住所はMusée du Louvre。メトロを出たらすぐわかると思います) メトロ 1番線、7番線 Palais Royal-Musée du Louvre 開館時間 水曜日から月曜日 9時から18時(水曜日と金曜日は22時まで) チケット 常設展とドラクロワ美術館 9ユーロ (水曜日と金曜日の18時から6ユーロ) ナポレオンホールの企画展のみ 9.5ユーロ 常設展と企画展 13ユーロ (水曜日と金曜日の18時から11ユーロ) 毎月第1日曜日は入場無料 日本語公式サイト #
by paris_musee
| 2009-09-07 00:00
| 有名ミュゼ
まだまだルーヴル美術館は続きます。 先週はルイ14世時代の絵画についてお話ししましたので、次はルイ15世に行きましょう。 絶対王政のフランスがルイ14世によって確立すると、「2代目」は攻めでなくて守りの体制に入ります。 絢爛豪華、荘厳華麗なアートは好まれず、軽妙洒脱、優美繊細なアートが流行ります。 前者に比べて格段に「女性的な」ものが多いんです。 この時代のアートを総称してロココ様式と呼んだりします。 これがポンパドール夫人。パステルで描かれているので、よりいっそう柔らかな表現になっています。ちなみに日本のパン屋さんで「ポンパドウル」という名前のお店がありますよね。実はポンパドール夫人の優雅なイメージを「おもいきり高級で優雅な欧風ベーカリー」というコンセプトに重ね合わせた命名なんだそうです。ロゴマークにも彼女のお顔が使われているのでチェックしてみてください ちなみにポンパドール夫人という好色家ルイ15世のお妾がいるのですが、彼女がこのロココ様式の牽引者。 現在のセーヴル磁器工場は彼女によって設立され、サロンを主催しては芸術家を庇護しロココ様式の発展に貢献しました。 愛人ではありましたが、彼女なくしては語れないほどルイ15世に影響を与えた人物なのです。 ロココ様式、家具ですと植物や貝などのモチーフが好まれ、曲線を多用してアシンメトリーな細かい装飾が増えます。 絵画ではキューピッドが空を舞う、植物や花に囲まれた愛をテーマにしたテーマを、パステルカラーでふんわりと描いたものが登場します。 この作品の細かい部分をクローズアップした画像で見ることが多かったからか、実物は案外小さくて驚きました。こういう驚きもホンモノを見るときの醍醐味ですよね 有名な作品はアントワーヌ・ヴァトーによる『シテール島への巡礼』。 たくさんのカップルが描かれているのですが、同一人物をコマ送りにした絵画と見ることもできます。 木々が生い茂る画面右に座って愛を語り合う男女がいます。 左に行くに従って、2人は立ち上がり、未練があるかのように振り返り、 キューピッドたちに祝福されながら小舟に乗って光輝く水平線のむこうにある愛の島シテール島へ出航するという場面です。 彼は37歳で夭折しましたが、ロココ様式の絵画の幕開けを担った有名な画家です。 光がちょうど当たる配置だったので、上手に撮影できませんでした。でも生き生きとした肌の感じはおわかりになるでしょうか フランソワ・ブーシェ『水浴のディアナ』 ローマ神話の多産や狩猟、純潔の象徴であるディアナが女性の精霊ニンフとともに水浴している場面です。 なんとも優美で官能的な裸体表現ですよね。輝くみずみずしい肌の描き方も特徴的です。 実は印象派のルノワールもせっせとここに通いつめて模写をしたんだそうです。 ルノワールの官能的な裸体表現のモトはここにあったのかもしれません。 ちなみにブーシェはポンパドール夫人の寵愛を受け、晩年は首席画家として活躍しました。 こちらの作品は自画像です。wikipedia Franceからお借りしました ロココ様式の最後期を飾ったのがジャン・オノレ・フラゴナール。 ブーシェに学んだ画家です。 彼はフランス革命後もルーヴル美術館の作品管理の仕事に就くなど、芸術とともに生きた人物なのですが、 後半は絵をほとんど描くこともなく(フランス革命による政変とも関係がありますが)、 画家としての名声は忘れ去られひっそりとこの世を去りました。 この人の特徴は速筆。近くで作品を見ると荒い筆致で描かれているんです。 その速筆が画面に軽さや空気感をもたらしているんですね。 あえてアカデミーにはどっぷり浸からず貴族などをパトロンにして生活をしていたので、 彼らの肖像画がたくさんルーヴルでご覧頂けます。 表情の高貴さや愛らしさ、ものごしの優美さなどはロココの時代精神を表しています。 いかがでしたか? 18世紀前半の安定したブルボン王朝の文化的成熟を背景にした、うっとりとするような繊細優美なロココ絵画。 ルイ15世の政治が終わるとまた絵画様式も変化します。 住所 rue de Rivoli 75001(正式な住所はMusée du Louvre。メトロを出たらすぐわかると思います) メトロ 1番線、7番線 Palais Royal-Musée du Louvre 開館時間 水曜日から月曜日 9時から18時(水曜日と金曜日は22時まで) チケット 常設展とドラクロワ美術館 9ユーロ (水曜日と金曜日の18時から6ユーロ) ナポレオンホールの企画展のみ 9.5ユーロ 常設展と企画展 13ユーロ (水曜日と金曜日の18時から11ユーロ) 毎月第1日曜日は入場無料 日本語公式サイト #
by paris_musee
| 2009-08-31 00:00
| 有名ミュゼ
今回はフランス絶対王政の最盛期の絵画についてお話ししたいと思います。 ときは17世紀中頃から18世紀はじめ、舞台はヴェルサイユ宮殿、主人公はルイ14世です。 とにかくルイ14世は絶対的な権力を手にし、国土を広げ、フランスをヨーロッパの強国にしました。 そんな彼を太陽王と呼んだり、ギリシャ神話における全知全能の神ゼウスの息子アポロンになぞらえたりしています。 ヴェルサイユ宮殿もものすごく広大でありながら、それをルイ14世中心に機能させる建築物の配置や細かな儀式がとりきめられたりしています。 ヴェルサイユのイメージをどこかでご覧になった方は何となく雰囲気がわかるかと思いますが、 この時期のアートの特徴は「絢爛豪華」のひとことで言い表すことができます。 威厳を表すことのできる雄々しいモチーフ(太陽、獅子、アポロン、武器)を使ったり、金色を多用したり、絵画や彫刻ならばとても大きいものが好まれました。 パっと見たときに「おぉ!」と驚いたり、「強そう!」と感じるものが多いですね。 シャルル・ルブランのお部屋。手前にいる外人さんと比べてもとーっても大きいことがわかると思います さて、ルーヴル美術館にあるルイ14世時代の絵画の代表と言えば、シャルル・ルブランのものでしょうか。 ルイ14世のライバルだったニコラ・フーケのヴォー・ル・ヴィコント城の装飾も手がけています。 ルイ14世が即位すると首席画家として活躍します。 ヴェルサイユ宮殿の有名な鏡の間の天井画も彼のものなんですよ。 こちら一番小さな『アレクサンドロス大王の勝利』 ルーヴルの大きな展示室には彼の作品が4点あります。 『アルベラの戦い』『アレクサンドロス大王とポロス』『グラニコス川の渡り』『アレクサンドロス大王の勝利』 タイトルを見ても戦争がモチーフになっていると予想できますよね。 最後の『アレクサンドロス大王の勝利』が約4.5mx7mの画面ですが、他の3つは約5mx12mの大きさの画面です。 面積にすると私の家より大きいです! 描かれている兵士や馬も実物よりもずっと大きく、近づいてみると精密には描かれていないんですが、とにかくダイナミックですごい迫力なんです。 この画家シャルル・ルブランは相当ルイ14世に気に入られていたようで、 絵画・彫刻アカデミーの総裁、王立ゴブラン織製作所の監督など 王の芸術に関する役職は独り占め状態だったらしいです。 画家のリゴーの名前はそんなに有名じゃないけれど、ルイ14世といえばいつも彼の描いたこの威風堂々とした肖像が使われています もうひとつご紹介したい作品があります。 肖像画家ヤッサント・リゴーの『ルイ14世の肖像』。 即位してから60年くらい経った頃の肖像なのでかなり年をとっているのですが、それだけに王の威厳はバッチリと描かれています。 世界史の教科書で使われている肖像も彼の作品だったので、ご存知の方も多いかと思います。 フランスのおもちゃ屋さんに行くと、動物や恐竜、騎士や貴族などの10cmくらいのミニチュア人形がたくさん売っています。 子供やマニアの大人向けの人形なのですが、その中にリゴーのルイ14世がいるんです。 大量生産なのでできの悪いものもありますが、見つけたときはちょっと嬉しい気分になりました。 おもちゃ屋さんだけでなく美術館のおみやげコーナーにもあったりするので、欲しい方は探してみてください。 住所 rue de Rivoli 75001(正式な住所はMusée du Louvre。メトロを出たらすぐわかると思います) メトロ 1番線、7番線 Palais Royal-Musée du Louvre 開館時間 水曜日から月曜日 9時から18時(水曜日と金曜日は22時まで) チケット 常設展とドラクロワ美術館 9ユーロ (水曜日と金曜日の18時から6ユーロ) ナポレオンホールの企画展のみ 9.5ユーロ 常設展と企画展 13ユーロ (水曜日と金曜日の18時から11ユーロ) 毎月第1日曜日は入場無料 日本語公式サイト #
by paris_musee
| 2009-08-24 00:00
| 有名ミュゼ
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