パリにあるとっておきミュゼをご案内します
by paris_musee
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タグ:ジャック・ルイ・ダヴィッド ( 1 ) タグの人気記事
さすがは本場、充実のフランス絵画 パート8 ルーヴル美術館ドゥノン翼の1er étage(日本式2階)

時間がなくて写真を撮りに行くことがいまだにできないのですが、お待たせしてばかりなのでルーヴル美術館の続きを書くことにします。
写真はwikipedia franceよりお借りしています。
f0197072_18292547.jpg

このデッサンが、ジャック・ルイ・ダヴィッドによって描かれた処刑場に向かう最後のマリー・アントワネットの肖像画です。
前回のルーヴル美術館の回では、ルイ16世とマリー・アントワネットの治世が新古典主義だったとお伝えしました。
が、ご存知の通り彼らはギロチンにかけられて処刑されてしまいます。
マリー・アントワネットが処刑される日、おんぼろの荷台に乗せられてコンコルド広場まで連行される様子をカフェのテラスでスケッチした人物がいるんです。
それが今日お話しする新古典主義の代表画家、ジャック・ルイ・ダヴィッド。

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新古典主義絵画の特徴をまんべんなくちりばめた彼の代表作です
ルイ16世が彼に初めて注文して作らせた作品が『ホラティウス兄弟の誓い』。
これはかなり好評で、ちょっと画家デビューの遅かった彼を一気に有名にした作品です。
モチーフとなったお話はローマ時代のもので、決着のつかない国同士の争いにピリオドをつけるため、ホラティウス家の3人の兄弟が父に「国をかけて果敢に戦います!」と宣言する場面です。
不穏な空気が漂うフランスに、愛国心と忠誠心を誓うというモチーフで作品を描かせたのですね。

この作品、とっても新古典主義のにおいがプンプンします。
まずローマ時代の歴史的な話がモチーフになっていて、マジメな話です。
室内装飾はスッキリしていて、登場人物の衣服も原色が多い。
カッチリと画面を安定させる技が隠れています。数字の3、三角形、直線。
ローマ時代のアーチ型建築が3つに分かれているので、私たちは自然と真ん中にいるお父さんに目がいきます。
足の形がつくる三角形も、剣と誓いの手と足を結んだ三角形もあります。
でもあんまりカチカチすると不自然なので、右側に3人の悲しみにくれる女性が柔らかい曲線を描いてメリハリをつけています。

新古典主義の作品は、ギリシャローマのマジメな話や当時のシンプルな衣装、建築装飾、そして水平や垂直線、三角形、3という数字をちりばめているのが特徴です。
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これとほぼ同じものがヴェルサイユ宮殿にもあります
ダヴィッドは血なまぐさいフランス革命に参加したんですが、ブルボン王朝が倒れたあとに君臨したナポレオンに重用され、首席画家となります。
このお部屋であっと驚く大きさの作品が『皇帝ナポレオン1世と皇后ジョセフィーヌの戴冠式』6m x 9mちょっとあるそうです。
1804年にパリのノートル・ダム寺院で実際に行われたセレモニーを描いた大作です。
登場人物も本物に似せて描いたため、ナポレオンは出席者を言い当てて楽しんだそうですよ。
中央で王妃に冠をかぶせているのがナポレオン。ひざまづいているのがジョセフィーヌ王妃。
中央上部で座っているのがナポレオンの母親、画面左の男性はナポレオンの兄弟、女性たちは彼の姉妹、右側は大臣などがいます。
ナポレオンの後に座っているのが教皇、そしてダヴィッドと奥さんも自身もちゃっかりお母さんの座っている左後ろあたりに描き込まれています。
ちなみにナポレオンのお母さんはこの式には参加してなかったのですが、やはり母からの祝福があった方が格好がいい、ということで特別出演しています。

さて、こちらもやっぱり新古典主義の作品なので、特徴を見て行きましょうか。
柱が3つあり、ちょうどその真ん中にナポレオンがいますね。
人々や室内装飾もちゃんと垂直方向の直線を形作っています、ひな壇や階段は水平線ですよね。
ひざまづいたジョセフィーヌの体が三角形を作っています。
衣装もエンパイヤ様式といって、ちょっとギリシャ風(当時流行っていたようです)になっています。
色も赤や紺、金といったハッキリした色です。
これだけ人物が多くてゴチャゴチャしそうな空間ですが、とっても荘厳な張りつめた空気が感じられる威厳のある作品になっています。

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レカミエ夫人が着ているギリシャ風の洋服をアンピール様式って言ったりします。ナポレオン帝国(=エンペラー)の様式ということですね
もうひとつ、私が好きなのがレカミエ夫人という実在の人物を描いた作品。
彼女は銀行家のご夫人で、当時の芸術家や有識者を集めたサロンを開いていた有名なマダムです。
この作品、ギリシャ風の衣装をつけた夫人が、長椅子にくつろいで座っているというだけのシンプルなもの。
でもランプの垂直線や長椅子の水平線、ちょっとその緊張を解くように垂れる衣服のひだが絶妙です。
人物画にしては大きなキャンバスは、本当なら歴史画を描くために用意されたサイズなのだそうです。
きっと新古典主義の大家であるダヴィッドは、ここにレカミエ夫人を歴史の1ページとして、理想的な女性美として描いた、と考えるのは行き過ぎでしょうか。
実はレカミエ夫人が気に入らなかったのか、この作品は未完成のままなのだそうです。
ちなみにルーヴル美術館の美術工芸コーナーには、このレカミエ夫人が実際に使っていたベッドや家具が展示されているんですよ。
彼女のものではありませんが、この作品で描かれているのと同じ長椅子もすぐとなりに展示されています。

来週はこのお隣の部屋、ロマン主義の大作をご紹介して行きたいと思います。


住所   rue de Rivoli 75001(正式な住所はMusée du Louvre。メトロを出たらすぐわかると思います)
メトロ  1番線、7番線 Palais Royal-Musée du Louvre
開館時間 水曜日から月曜日 9時から18時(水曜日と金曜日は22時まで)
チケット 常設展とドラクロワ美術館 9ユーロ (水曜日と金曜日の18時から6ユーロ)
ナポレオンホールの企画展のみ 9.5ユーロ
常設展と企画展 13ユーロ (水曜日と金曜日の18時から11ユーロ)
毎月第1日曜日は入場無料
日本語公式サイト


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by paris_musee | 2009-10-12 00:00 | 有名ミュゼ