パリにあるとっておきミュゼをご案内します
by paris_musee
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20世紀の18世紀風邸宅!? ニッシム・ド・カモンド美術館 Musée Nissim de Camondo

パリも晴れと雨を繰り返しながら、どんどん夏に近づいて来ています。
そんな晴天の昼下がり、お散歩がてら優雅な邸宅美術館に行ってきました。
この界隈は今も昔もお金持ちが住むところ。
この邸宅もド・カモンド家の持ち物で、趣味のいい豪華な家具で埋め尽くされた素敵なおうちです。
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モンソー通りに面した門をくぐると、その奥に邸宅があります 通りに面していないゆったりとした設計がいかにも貴族の邸宅らしい
ユダヤ人だったド・カモンド家は19世紀、オスマン帝国のコンスタンチノープルでもっとも成功した銀行家のひとつでした。
仕事でパリにちょくちょく訪れるので、当時お金持ちしか住めない高級住宅地、モンソー公園周辺にあるこの家を購入しました。
1911年息子のモイズがここを相続すると、第2帝政時代のきらびやかな様式を嫌い、建築家に頼んで新古典主義様式のシンプルな邸宅に改装します。
建物の外装がどこかに似ているなーと思ったんですが、彼がモデルとしたのはマリー・アントワネットの別宅、プチ・トリアノン。
内部の壁の装飾、集められた家具や装飾品などもマリー・アントワネットの趣味と同じ。
よく見ると、彼女が重用した家具職人や画家などの作品ばかりです。
20年以上をかけて、最高級の18世紀家具を収集したんだそう。
モイズは19世紀後半から20世紀前半を生きた人物ながら、18世紀の様式を好んだのでした。
18世紀の家具装飾品がこれほどまで集められて一般公開されているの美術館もなかなかありません。
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これは建物中央に位置し、小さなフランス式庭園とモンソー公園がのぞめるサロン。自然をモチーフにした7枚のhuetの絵を飾るために、このような円形の設計にしたとか
ちなみに、19世紀にお金持ちの間で18世紀の様式が大流行りします。
ナポレオン3世の王妃までマリー・アントワネットは趣味がいい!と賞賛するので、流行に拍車がかかりました。
みんなこぞって新古典主義様式の家具を買いあさり、市場ではどんどん高値がつきました。
が、にわか愛好家はすぐに飽きてしまい、みんなオークションで売り払ってしまいます。
本当に18世紀工芸美術が大好きだったモイズは、安くなったこれら家具を熱心に集めました。
流行にちょっと遅れて収集したので、いいものが安価にたくさん手に入れることができたようです。

このモイズさん、すばらしい居室に家族とともに住み、仕事は順風満帆、パリでの知名度も上り調子でした。
しかし、のちに奥さんが他の男性のもとに行ってしまい、さらには一人息子のニッシムまでも戦争で帰らぬ人となりました。
もうひとりの娘は嫁いでしまい、ド・カモンド家を継ぐ人はいませんでいした。
手塩にかけて育てたニッシムの死を悼み、邸宅にあるこれらすべての家具装飾品を「ニッシム・ド・カモンド美術館」として寄贈すると遺言状に残して1935年にモイズは亡くなりました。
そして翌年、1936年に遺言状通り、ニッシム・ド・カモンド美術館は彼らが暮らしていた当時の姿のまま美術館として一般公開されています。
残念ながら一人娘のベアトリスもご主人もその子供もアウシュビッツ収容所で亡くなり、ド・カモンド家の血筋は途絶えてしまいました。

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玄関を入ると大理石のダミエ模様の床が目を引く玄関ホールが これもプチ・トリアノンっぽい
この美術館の入場料は現在6ユーロ。
オーディオガイドを無料で貸し出してくれて、日本語で解説を聞くことができます。
収蔵品の豪華さやみどころの多さを考えると、とってもお得です。
とはいっても、よーく見学しても1時間半くらいで見終わるでしょうか。
ちょっと見学をして、帰りに「裏庭」であるモンソー公園の芝生で一休みするのもいいですよ。

それでは次回は、もうちょっと展示室の作品をご紹介していきたいと思います。
マリー・アントワネットの続きは再来週お送りします。

Musée Nissim de Camondo公式サイト (英語)

63 rue de Monceau 75008
メトロ 2番線 MonceauまたはVillier
閉館日 月曜日、火曜日
開館時間 10時から17時30分まで
入場料 6ユーロ(日本語のオーディオガイド込み)

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by paris_musee | 2009-06-22 00:00 | 邸宅ミュゼ