パリにあるとっておきミュゼをご案内します
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マリー・アントワネットを訪ねて ヴェルサイユ宮殿 ー王妃の村里ー Chateau de Versailles
先週はプチ・トリアノン宮殿をご紹介しましたが、今回はマリー・アントワネットの離宮コースのその他の場所をご紹介します。

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★フランス式庭園 Jardin francais★
プチ・トリアノン宮殿のまわりにあるのが、幾何学的に剪定されたお庭。
いろんな花が咲いていて、マリー・アントワネットが大好きだったバラの花も植えられています。
もともとは羊がいたりしたのですが、ルイ15世がフランス式庭園に作り替えさせたのです。

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★パヴィヨン・フランセ Pavillon francais★
フランス式庭園の奥にあるのがこの八角形の建物。
遊びと軽食をとるための建物で、中央にはグリーンと金の装飾が豪華なサロンと、脇に衣装部屋や暖房室などが置かれています。

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★王妃の劇場 Theatre de la Reine★
建物はまあまあ大きいのですが、見学できる(中には入れません)観客席と舞台は本当に小さくて可愛らしい!
外装、玄関ホールはシンプルですが、ブルーと金のゴージャスな装飾です。
オペラが大好きだったマリー・アントワネットは自らこの舞台に立って、選りすぐりのお友達だけを招待しました。

ここで、プチトリアノンの方まで引き返して、池の方へ進みましょう。
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★岩 Rocher★
上から水が滴り落ちる構造の大きな岩です。
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★ベルヴェデーレ Belvedere★
夏に涼むため、音楽鑑賞をするための八角形の、ドームを頂く建物。
池のそばの丘に建てられ、4つの階段にスフィンクス像が置かれています。
中は白と茶色で音楽をテーマにした模様が描かれています。
★洞窟 Grotte★
ベルヴェデーレを背に左側の茂みの中に入って行くと、Grotteの表示があります。
その突き当たりに小さな洞窟が。
場所が分かりにくい上に、足下もガタガタしているので注意してください。
でも内部はなにもありません。ちょっと拍子抜け?
王妃はあんなドレスを着て、ここにたどり着くことができたのでしょうか??

★温室 Orangerie★
Grotteを出て少し広い道にでたら左に曲がって直進します。
見えて来た建物がOrangerie。
その周辺はかなり広いお庭になっていて、庭師が住み込みでいろいろな植物の研究をしていたそうです。
ルイ15世の時代、ヴェルサイユでは4000種以上の珍しい植物や野菜、果物を世界各国から集め、世界でもトップクラスの研究機関になっていたそうです。
その植物たちはその後、パリの植物園にも運ばれて研究が続けられています。

★イギリス式庭園 Jardin anglais★
フランス式庭園が幾何学的に剪定したりして、自然を人工的に形作るのに対し、自然そのままにさまざまな植物を植えるのをイギリス式庭園といいます。
とっても広大なイギリス式庭園(というか野原)があり、向こうの方に茶色い建物が見え隠れしています。
ここにあるのは人工的につくった川や池です。
フランス王妃であるマリー・アントワネットはイギリス式庭園をも「人工的に」形作ったのですね。

さて、子供が産まれてからのマリー・アントワネットは、それまでの浪費癖を改め、ナチュラルでシンプルな生活を始めます。
当時フランスではジャン・ジャック・ルソーという思想家が謳った「自然回帰」が流行っていて、マリー・アントワネットも自然と共存する生活に憧れました。
そして作らせたのが王妃の村里、アモーです。
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★農家 La ferme★
え?ヴェルサイユ宮殿に??と驚いてしまいますが、マリー・アントワネットが作らせた村里には、実際の農民を住まわせた農家があります。
その周りには今でも牛やニワトリ、ガチョウ、クジャク、ブタなどが飼育され、ブドウ畑や野菜畑などがあります。
搾りたての牛乳、生みたての卵、とれたての野菜、ここで収穫された食物がヴェルサイユ宮殿の食卓に上ることも多々あったそう。
今では親子連れの楽しい散歩コースになっています。

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★王妃の村里 Hameau de la Reine★
池の周りに集まっている藁葺きの建物は、マリー・アントワネットの田舎遊びごっこのために作られたものです。
池に船を浮かべて粉挽き水車が回るのを眺めたり、高台から村里の様子を見下ろしたり、鳩小屋や乳製品を搾乳場もあります。
ビリヤードをする場所、王妃の家、女中の家、護衛の家など、彼女の生活に必要なものも田舎風にしてここに置かれました。
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マリー・アントワネットはコルセットをキツくしめたシルクのドレスを脱ぎ捨て、柔らかいモスリンのドレスに麦わら帽子という格好で、この村里でサービスされる新鮮な牛乳を飲んだり、池に浮かべたボートに乗ったりしていたそうです。
彼女の描く理想の田園風景、田舎生活がここにありました。
幼少のころの家族と避暑地に出かけ緑の中をかけずりまわって自然と戯れた懐かしさを、このアモーで感じていたのかもしれません。
でも国民がリアルにこれ以上に貧しい生活を強いられている時に、あえてこのような質素な田舎遊びに莫大な税金を費やしたことは、
いかに彼女たち王侯貴族が世間離れしているかわかりますよね。
この中の家はどれも内部が見学できませんが、200年前の最新のテーマパーク、結構楽しめます。
貴族がこういったニセの村里で疑似田舎生活体験をするのが当時の粋な遊びでした。
中にはみずから農民のような衣装に身を包んで肖像画を描かせた人もいますが、
王妃は農民たちがそういった生活をしているのを外から眺める傍観者どまりだったそうです。

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★愛の殿堂 Temple de l'Amour★
12本の柱に支えられてドームを頂いたギリシャローマにありそうなクラシカルな建物です。
王妃の寝室から見えたのがこれ。
中央にキューピッド像があるのでこの名が付けられました。

いかがでしたか?
王妃の村里まで歩くと結構な運動になりますが、天気がよかったら是非ハイキングのつもりで回ってみてください。
何もかも与えられて不自由ないはずの王妃ですが、きっと足りないものがあったんでしょうね。
それを埋めるようにプチトリアノンにこもって、お気に入りしか出入りを許さず、田舎遊びに興じていたのかもしれません。
マリー・アントワネットが何を考え、何を感じてこの離宮を作らせたのか、ここを歩いているとなんとなくわかる気がします。


Château de Versailles 公式サイト(日本語)

住所:Place d'Armes
78000 Versailles
電話 :33 (0) 1 30 83 78 00
最寄り駅:RER C線Versailles-rive-gauche-château下車
開館時間:
 ヴェルサイユ宮殿 9:00から18:00まで  毎週月曜日休館 
 プチトリアノンおよびマリーアントワネットの離宮 12:00から18:00まで (基本的に休館日なし)
 グラントリアノン 12:00から18:00まで (基本的に休館日なし)
   *冬期営業時間は少し短くなります。サイトでご確認ください。

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by paris_musee | 2009-06-15 00:00 | お城ミュゼ
マリー・アントワネットを訪ねて ヴェルサイユ宮殿 ープチ・トリアノン宮殿ー Chateau de Versailles
先週はコンピューターが壊れてしまって更新ができませんでした。ごめんなさい。
今日こそヴェルサイユ宮殿のプチトリアノン宮殿のお話です。

マリー・アントワネットはオーストリアのハプスブルグ家とフランスのブルボン家の政略結婚のために、
わずか14歳でヴェルサイユ宮殿にやってきます。
自由奔放に育てられおてんばだったマリー・アントワネットは、
フランスの伝統儀式でがんじがらめの生活が窮屈だったといいます。
世継ぎを産むのが仕事なのに、旦那のルイ16世は錠前作りと狩猟と食べること以外に興味はなく、
結婚後7年も子供が産まれませんでした。
ルイ15世が亡くなると若いマリー・アントワネットやルイ16世に実権が移り、
彼女にとってわずらわしい人物や慣習はヴェルサイユ宮殿から姿を消します。
子供が産まれないプレッシャーからか、マリー・アントワネットは賭け事やファッション、仮面舞踏会などにハマっていくんです。
こういったことが「浪費家マリー・アントワネット」というイメージダウンへつながり、
革命時には取り返しのつかないことになってしまいました。

やっと子供ができるのですが、残念ながら女の子。
でも母になったことで責任感が生まれたのか、享楽的な遊びは減り、
当時流行っていた「自然回帰」のナチュラルでシンプルな生活に変化します。
その変化の舞台になったのが、マリー・アントワネットの離宮という見学コース。

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外観はすごくシンプルなプチ・トリアノン宮殿
今回ご紹介するプチ・トリアノン宮殿はこの中にあります。
ルイ16世が「君は花が好きだね。僕は君に花束をあげよう、ほら、プチトリアノンだ」と結婚のお祝いにプレゼントしてくれたのだそうです。

実はこの宮殿は2008年に修復されたばかりなんです。
この修復でマリー・アントワネットが使用していた当時とほぼ同じ寝室、家具、使用人の部屋や絵画装飾品が再現されたので、
是非新しくなったプチ・トリアノンまで足をのばしてみてください。
ヴェルサイユの宮殿からは敷地内の公園に向かって右斜め上方向です。
かなり離れていますので、園内を周遊しているプチトランに乗るとラクチンです。
移動距離は1.5キロ、25分かかると書いてありますが、もっとかかるように感じるので覚悟してくださいね。

ここはもともとルイ15世が愛妾ポンパドール夫人のために作らせたのですが、完成を見ぬまま夫人が死去、
その後も彼の次の愛妾デュバリー夫人などが使用していました。
ルイ15世の死後、ルイ16世からマリー・アントワネットにプレゼントされたのです。
プチトリアノンは建てられた時期もロココから新古典主義に変わる移行期で、
外観も内装もマリー・アントワネットの趣味に合ったシンプルですっきりとした新古典主義の様式になっています。

建物は3階建てで上から見ると正方形の形をしています。
この1階(日本式2階)にあるのは控えの間、大食堂、小食堂(ビリアード部屋)、音楽のサロン(マリーアントワネットがお気に入りの友達と過ごしたばしょでもあります)、王妃の寝室。
ヴェルサイユの大宮殿からすると装飾も控えめで部屋も小さく、落ち着いて友達とおしゃべりができそうな親密な空間になっています。
2階(日本式3階)には控えの間、ルイ16世の寝室、書斎、そして他の家族やお客さん用の部屋が用意されています。
残念ながら2階は一般公開されていません。

順路通りに進んで行きましょう。
入り口を入るとすぐ左にお土産屋さん、インフォメーションと続き、ロの字になった中庭に出ます。
すぐ左がチャペル。とってもシンプルです。
その後入場料を払って(インターネットでチケットを買った人はその列をムシして)、いよいよプチトリアノン内部へ。
(チケット売り場の先、左側にお手洗いがあります)

★護衛の間 Salle de Gardes★
当時はガードマンの棚や簡易ベットやマットレス、毛布なんかが置いてあったそうですが、
今はルイ17世になるはずだったルイ・シャルルが使っていたゆりかごや、
子供の頃のマリー・アントワネットの絵画が飾られています。
この絵画、1765年に彼女の兄、ヨーゼフ2世が結婚した時のウィーンのシェーンブルン宮殿での様子を、10年以上たった後にマリー・アントワネットが描かせたものだそうです。
プチトリアノンの食堂に飾っていました。
暖炉の上の石膏像は、このプチトリアノンを設計したジャック・ガブリエルさんです。

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MとAの文字が重なってるの、わかりますか?これがマリー・アントワネットのマークです
★階段広間 Escalier★
錬鉄に金を施した美しい手すりの階段があります。
この手すりの模様、王家を表す百合の紋章とマリー・アントワネットのマークMAがデザインされています。

その奥は給仕係のためのお部屋が続きます。
銀食器やセーブル焼のお皿を展示してある部屋、食べ物を温めるための部屋Recahuffoirなどです。

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この絵を描いた肖像画家は、マリー・アントワネットの表情をとてもよく描くので彼女のお気に入りの画家だったといいます
また階段のところに戻って上にあがりましょう。上がったところの壁にメデューサのレリーフがあります。
★控えの間 Antichambre★
こちらの部屋には、大理石の像がふたつあります。
向かって右がマリー・アントワネットのお兄さんのヨーゼフ2世、左が旦那様で国王のルイ16世です。
置いてあるふたつのテーブルはマリー・アントワネットのもの。鹿の脚になってるのもありますね。
掛けてある絵画ですが、エリザベス・ヴィジェ・ル・ブランという女性画家に描かせた『バラを持つ王妃』。
とても美しく描かれていて、本人も大のお気に入りの絵でした。
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ほぼすべての部屋に共通する、薄ーいグリーンと白の壁の飾り(ボワズリーといいます)。
プチ・トリアノンのコンセプトカラーになっています。
モチーフも花と果物で女性らしいボワズリーですよね。

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とっても大きな絵画が4枚、この部屋には飾られています。
★大食堂 Grande salle a manger★
この大きな部屋はルイ15世が食事をした食堂です。
暖炉の上にはセーヴル焼きのマリー・アントワネット像が。
ルイ16世時代のシャンデリアも豪華です。
壁にかかっているのは、『漁』『収穫』『猟』『ブドウの収穫』がテーマになった4枚の絵画。
食堂では食にちなんだ絵画を飾るのが常でした。
ちなみに、この部屋には一瞬で食事を出現させてしまう魔法のテーブルが完成するはずだったのですが、お金がかかりすぎて断念。
0階から食事の乗ったテーブルをここまで持ち上げる機械仕掛けだったのです。

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ポンパドール夫人の肖像画と暖炉
★小食堂 Petite salle a manger★
大食堂に続くのが、小食堂。マリー・アントワネットはここをビリアード室としても使用しました。
ここにあるテーブルや椅子は、彼女が作った村里(来週ご紹介します)の食堂に置いていたものです。
壁にかかっている絵画はロココの女王とも言われる、ルイ15世の愛妾ポンパドール夫人と、ルイ15世の肖像画です。

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★お供の間 Salon de compagnie★
マリー・アントワネットが仲のいい友達とゲームや音楽を楽しんだ、プチトリアノンのメインとなるお部屋。
ピアノやハープが置かれています。
使われているファブリックは18世紀の国王のお城では常連の、リヨン産3色のダマスクス織り。
肘掛け椅子、碁盤目状のテーブル、ランプ、はマリー・アントワネットのもの。
飾ってある絵画は「変身」がテーマのものです。

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とても小さな部屋ですが、愛の殿堂やお庭がきれいに見えるし、くつろげる暖かい雰囲気のファブリックです
★寝室 Chambre a coucher★
ルイ15世の最後の愛妾デュ・バリー夫人と、その後マリー・アントワネットが使用した寝室です。
マリー・アントワネットは家具などを新調し、稲穂をモチーフにしたシンプルで自然をイメージしたものに作り替えています。
ベットは当時のものではありませんが、マリー・アントワネットを彷彿とさせるファブリックが使われています。
マホガニー製の宝箱は彼女のもの。
窓からお庭に作られた「愛の殿堂」が見えますよね。

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かなり大きなビリヤード台と王室一家の肖像画のシンプルなお部屋
また階段を下りて出口手前の左の部屋に入ります。
★ビリヤードの間 Salle de billard★
ルイ15世のビリヤード台があります。マリー・アントワネットはビリヤードの部屋を1階の小食堂に移動しました。
ここにもマリー・アントワネットの石膏像があります。
壁にかかっているのはルイ16世とマリー・アントワネット国王一家の1781年当時の肖像画です。

いかがでしたか?
オーストリアでのびのびと育ったマリー・アントワネットが、
誰でも入って来れていつでも人目に晒される儀式ばかりのわずらわしいヴェルサイユ宮殿を離れて
安息を求めたのがここプチ・トリアノン宮殿。
王のルイ16世でさえも、彼女の招待がなければこの宮殿に入ることは許されませんでした。
自分の大好きな友達だけを集めて、音楽を聴いたり、ビリヤードを楽しんだり、お茶をしながらおしゃべりしたり、
親密で心から安心できる時間を過ごしていたのでしょうね。


Château de Versailles 公式サイト(日本語)

住所:Place d'Armes
78000 Versailles
電話 :33 (0) 1 30 83 78 00
最寄り駅:RER C線Versailles-rive-gauche-château下車
開館時間:
 ヴェルサイユ宮殿 9:00から18:00まで  毎週月曜日休館 
 プチトリアノンおよびマリーアントワネットの離宮 12:00から18:00まで (基本的に休館日なし)
 グラントリアノン 12:00から18:00まで (基本的に休館日なし)
   *冬期営業時間は少し短くなります。サイトでご確認ください。

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by paris_musee | 2009-06-08 00:00 | お城ミュゼ
マリー・アントワネットを訪ねて ヴェルサイユ宮殿 ーちょっとヒトコト編ー Chateau de Versailles
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いよいよヴェルサイユ宮殿へ向かいます。ここから宮殿までまだまだ歩きますよ
先日、お天気がよかったのでヴェルサイユのマリー・アントワネットの離宮に行ってきました。
祭日の次の金曜日で、有給をとって4連休にした人がいっぱいいた日でした。
実際に行ってみて、みなさんが行く時にこうした方がいい!と思うことがいくつかありましたので、今日はそれをお話しさせてください。

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見てください!グルっとすごい行列ができているの、わかりますか?これチケットを買うための列。覚悟してくださいね!
★事前にチケットを買っておこう!★
平日だし大丈夫、と思っているとちょっと危険です。
私が行った日は13時頃だったのですが、多分2時間くらい待たないとチケットが買えないのではないかというくらいの長蛇の列でした!
朝一番でしたらこんなには並ばないとは思いますが、チケットを買ってから館内を観るとなるとやっぱり人が多いので、
なかなか落ち着いて写真撮影もできなくなってしまいます。
是非是非、インターネットで事前購入してください。

やり方は簡単ですが、フランス語が混じってくるので解説しますね。
1 予約 Reservation
こちらのページを開き、欲しいチケットを選び「予約する」をクリック。
1日優待パスポートなら、城内すべての施設を見学できます。
カレンダーの中で行く予定の日を選び、クリック。
クリックできなければその日のチケットはないので、当日並んで買うか、別の日を選ぶことになります。

2 買い物カゴ Mon Panier
次に予約画面が出てきますので、数量(そのままだと0枚ですので、1枚、2枚などと選んでください)を選ぶと合計金額が出ます。
確認して「買い物かごに入れる」をクリックすると、次の画面に行きますが、ここで「Eチケットを自分でプリントアウトする」を選びましょう。でないと、やっぱり並んでチケットを受け取ることになるのであまり意味がありません。

3 連絡先入力 Identification
その後、個人情報を記入することになりますが、*印のついているところだけでOK。メールアドレスは忘れずに。
*印の上から「姓」「名」「住所」「郵便番号」「都市名」「国名」「e-メール」「パスワード」「確認のため同じパスワード」

4 支払い Paiement
そしてインターネットショッピングと同じ要領でカード番号などを記入します。

5 プリントアウト 
後ほど登録したメールアドレスに、ネットショッピングの領収書(確認メール)とメールアドレスとパスワードの確認メールが届きます。
大事なのはもうひとつの「Validationde commande Satori Modulo」というところから届くメール。
青線の「Pour visualiser et imprimer votre E-Ticket, cliquez ici」をクリックして出て来た画面をプリントアウト。

そのチケットを見せるだけでOKです(アントワネットの離宮はチケット売り場と入場口が続いているのですが、このチケットを持っていれば手前のチケット売り場の列を抜かして前に進んで大丈夫。スイスイ行っちゃってください)。
チケットにはいろいろとフランス語で書いてありますが、要は「ちゃんと読めるようにプリントアウトすること」「汚したり濡らしたりして文字が読めないようにしてしまったものは無効」「コピー無効」「再発行はしません」といったようなことです。
ヴェルサイユ宮殿から帰るまで大切に持っていてください。

★大迷惑なお手洗い★
ヨーロッパで参ってしまうのがお手洗い。
1日に訪れる入場者数がどれくらいかはわかりませんが、入場者数に対してどう見積もってもお手洗いの数が少ないのです!
やっとたどり着いたお手洗い、個室だって2個か3個しかないんです!
何回か行ったのですが、どれも10分ほど(いや、もっと?)並びました!!!
どうか余裕を持ってお手洗いに行ってください。
強者のおばちゃんは男性用お手洗いに平気で入って行きますが、それは皆様の裁量にお任せします。
トイレットペーパーがないところも便座がない(!)ところも荷物掛けがないところもザラなフランス。ここも例外ではありません。
準備万端でのぞんでください。
ちなみに、私が確認しているお手洗いは、
ヴェルサイユ宮殿 正面の広場(王の中庭と呼ばれる、宮殿の建物のくぼんでいるところ)の左右に1つずつ 正面からお庭に抜ける左側の通路に1つ
お庭 アポロンの泉水と宮殿の中間あたりの左右に1つずつ アポロンの泉水付近のカヌー貸し出し所近くに2つ
マリー・アントワネットの離宮 小トリアノンの入り口に1つ 大トリアノンに向かって左側(建物内部でなく、敷地外です)に1つ

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ヴェルサイユの宮殿を出ると広がるルイ14世自慢の庭園。あの運河の端っこまで歩いて1時間ですって!
★地図★
マリー・アントワネットの離宮について来週からお話するつもりですが、敷地がものすごい広いのに標識がないんです。
道はいっぱいあるけど、見所への行き先はどこにも表示してありません。
人が多かったのでなんとなく歩いて見ることはできますが、現れた建物が何なのかよくわからないで見過ごしてしまうかもしれません。
入り口でもらえないこともあるので、事前にこちらをダウンロードして、地図を片手に回ってください。
これなら見所を逃さずに済むし、目の前の建物が何なのかわかります。
ヴェルサイユ宮殿の入り口からマリー・アントワネットの離宮までの地図も、お手洗いの場所もここにすべて書いてあります。

★とにかく広い!★
ヴェルサイユには何度か行ったことがありましたが、大トリアノン宮殿以外のマリー・アントワネットの離宮まで足を伸ばしたのは実は初めてでした。
地図には宮殿から小トリアノンまで1.5キロ、25分なんて書いてありますが、実際にはもうちょっとかかったように思います。
駅から宮殿まで、宮殿からマリー・アントワネットの離宮まで、離宮の敷地内の移動、すべてあわせて5キロは歩くと思います。
ガタガタの石畳だったり、ほこりっぽい砂利道だったり、ちょっと高低差があったりと、意外と歩きにくかったです。
ヒールは本当にオススメしません。スニーカーが一番!とにかくはき慣れた靴と汚れてもいいような格好で行きましょう。
庭園内には往復6ユーロくらいでプチトランというミニ電車が走っています。
並んだり、待ったりしますが、疲れたときは利用してみるのもいいかもしれません。

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この牧歌的な田園風景もヴェルサイユ宮殿の敷地内ですよ!周辺の芝生でピクニックができます。人もまばらでオススメ!
★ピクニック★
庭園に関して言えば、入場料はタダ。
なのでヴェルサイユ在住や近郊に住む地元民は、週末ピクニックをする公園感覚で使っているんですよね。
そこらじゅうにベンチもありますし、入ってもいい芝生もいくつかあります。
レストランやカフェなんかもあるんですけど、並んでたり高かったりするので、天気のいい日は見学途中にお弁当持参でピクニックしてみてはいかがでしょう?
大運河ではボートも貸し出しているので、のんびりヴェルサイユの庭園でボート遊びも素敵です。
フランス人に混じって、豪華な休日を過ごしてみてください。
ちなみにお天気のいい日は日差しも強いので、帽子やサングラスもお忘れなく!

★疲れた時には★
それから、私は美術館をハシゴするときは必ず飲み物とチョコレートを持って行きます。
こちらの美術館ってとっても広くて、うっとり見とれているうちにかなりの距離を移動しているんですよね。
ちょっと疲れた時に、ベンチで水分と糖分補給。
売ってるところを探すと余計疲れてしまうので、水分と甘いものをバックにしのばせているんです。
ヨーロッパは乾燥しているので、日本以上に喉が渇きますよ。
この広いヴェルサイユを歩き回るのだったらなおさら。オススメです。

というわけで、本当はプチトリアノンについてお話しする予定でしたが、思いのほか気づくことが多かったのでちょっとヒトコト編にしました。
来週はいよいよマリー・アントワネットの過ごした離宮をご紹介します!お楽しみに。


Château de Versailles 公式サイト(日本語)

住所:Place d'Armes
78000 Versailles
電話 :33 (0) 1 30 83 78 00
最寄り駅:RER C線Versailles-rive-gauche-château下車
開館時間:
 ヴェルサイユ宮殿 9:00から18:00まで  毎週月曜日休館 
 プチトリアノンおよびマリーアントワネットの離宮 12:00から18:00まで (基本的に休館日なし)
 グラントリアノン 12:00から18:00まで (基本的に休館日なし)
   *冬期営業時間は少し短くなります。サイトでご確認ください。

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by paris_musee | 2009-05-25 00:00 | お城ミュゼ
マリー・アントワネットを訪ねて ヴェルサイユ宮殿 ー基本編ー Chateau de Versailles
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ヴェルサイユ宮殿のまわりには一般人がピクニックできる森があります。写真はそんなピクニックを終えて、閉館後誰もいなくなったヴェルサイユ宮殿を撮ったもの。

ヴェルサイユ宮殿。
ここを訪れずにフランス観光を終わらせることができないくらい、フランスが誇る世界的に有名な観光名所です。
そしてマリー・アントワネットを語る上でもここを避けて通ることができません。
パリからも近いしアクセスも簡単、半日使って是非お出かけして欲しいところです。

行き方ですが、とっても簡単。
パリからRERという郊外行き電車に乗って終点まで行くだけ。
乗るのはパリの真ん中を通るRERのC線。西のVersailles-rive-gauche-château行きに乗ってください。
VERSAILLES-RIVE-GAUCHE-CHATEAU行きです。
VERSAILLES-CHANTIERSという駅もあって、途中で分岐しちゃうので注意してくださいね。
RER以外の行き方はこちらを参照してください。
RIVE-GAUCHE駅から宮殿までは、駅を出て道(rue Royal)を渡ったらそのまま右に歩いて行きましょう。
そして最初の交差点を左折(Avenue de Paris)するともう宮殿の正面玄関が見えてきます。

最近はこちらであらかじめチケットをプリントアウトできるシステムになっているようです。
右上の日本の旗をクリックして日本語表示にしてください(でも全部が日本語訳されているわけではないようです)。
並ばなくていいので便利ですね。

入り口入ってすぐの「ヴェルサイユ宮殿」と、
遥か彼方にある「マリー・アントワネットの離宮」と、
その間にある広い「お庭」
の3部構成になっていますので、全部観たい方は時間的余裕を持ってくださいね。
広大な庭園や森ではピクニックができる場所もあります。
お天気のいい日にはお弁当を持参で行くのも楽しいです。

宮殿は、鏡の回廊、王と王妃のグラン・アパルトマン、王の寝室、ドーファン(王太子)のアパルトマン、ルイ15世の王女達の アパルトマン(4月1日から10月31日までの週末のみ)、フランス歴史回廊が見学コースとなり、
マリー・アントワネットの離宮は、プチ・トリアノン、王妃の農場、フランス式及びイギリス式庭園、パヴィヨン・フランセ、愛の殿堂、ベルヴェデーレ(見晴らし台)、グラン・トリアノンが見学コースになっています。

ヴェルサイユ宮殿の敷地は想像以上に広大なうえ、お手洗いが日本のようにたくさんないので覚悟してください。

さて、次回はいよいよマリー・アントワネットが過ごしたという離宮についてお話しして行きたいと思います。
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ヴェルサイユ宮殿はプライベートなパーティーや映画撮影などに貸し出しています。写真は多分アソシエーションの会合か何かで、レセプションまでブルボン王朝時代の衣装をまとったスタッフが演奏しながらお迎えしていました


Château de Versailles 公式サイト(日本語)

住所:Place d'Armes
78000 Versailles
電話 :33 (0) 1 30 83 78 00
最寄り駅:RER C線Versailles-rive-gauche-château下車
開館時間:
 ヴェルサイユ宮殿 9:00から18:00まで  毎週月曜日休館 
 プチトリアノンおよびマリーアントワネットの離宮 12:00から18:00まで (基本的に休館日なし)
 グラントリアノン 12:00から18:00まで (基本的に休館日なし)
   *冬期営業時間は少し短くなります。サイトでご確認ください。

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by paris_musee | 2009-05-18 00:00 | お城ミュゼ
マリー・アントワネットを知ろう! 
先月日本に一時帰国していました。
その時に絶対に買おう!と思っていた本が、『ベルサイユのばら』です。
70年代に発表され、その後も代々読み継がれているという不朽の名作マンガですよね。
実は今回、初めて読ませていただいたんです。
すごく読み応えがあって面白かった!全5巻を数時間で読破しちゃいました。

マリー・アントワネット。
あまりにも有名な彼女の波乱に富んだ人生は、昔からアーティストたちの格好の主題となってきました。
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こちらが角川書店バージョン
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こちらが岩波文庫バージョン
一番最初に彼女の人生を小説にしたのは(あるいは現在も読まれているの最も古いものは)、1933年にステファン・ツヴァイクが書いた『マリー・アントワネット上下』。
その後のほぼすべてのアントワネットものの作品のたたき台になっているのが、この作品ではないでしょうか。
ここに描かれているエピソードが、他の作品にちょこちょこ使われています。
私は岩波版を持っていますが、岩波らしくちょっと硬派な文体です。
小説というより歴史書みたいな感じ。ドキドキしながら読み進めるというより、淡々と事実を追う感じです。

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こちらは小説なのでかなり読みやすいですよ。
日本の作家、遠藤周作も『王妃マリー・アントワネット上下』(新潮文庫)を描いています。
これは少しフィクションが付け加えられていて、庶民出身の貧しい架空の女性と王妃のコントラストが特徴的です。
庶民の登場人物がいることで、フランス革命とマリーアントワネットの関係がどのように絡んで行くのかがわかりやすく描かれています。

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こちらは註や図版も豊富でとても読みやすいです
イギリス女性作家のアントニア・フレイザーも『マリー・アントワネット上下』(ハヤカワ文庫)を女性の視点で描いています。

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こちら、もうご覧になりましたか?実際にヴェルサイユ宮殿を貸し切って撮影がなされ、ラデュレのスイーツにパステルなドレス、史実をかなり今風にアレンジした乙女趣味のかわいい映画です。
この作品が原作となって、ソフィア・コッポラ監督の『マリー・アントワネット』という映画が作られました。
映画は上巻だけを映像化していて、王妃の悲劇は描かれていません。
フランス人の友達の間では、「アメリカ人監督がフランスの歴史を映画化するなんておこがましいけど、せめてもの救いはアメリカ人にフランス革命の暗部を描かれなくてよかった」といったものでした...。

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こちらは大人買いができるボックス売り!
そして池田理代子によるあの有名な『ベルサイユのばら』。
この作品もオスカルなど架空の人物が登場して話を盛り上げていますが、基本のエピソードはツヴァイク本に忠実です。
でもやっぱりフランス革命において庶民がどうだったのか、という視点が入っていて、スピード感とリアリティのある作品に仕上がっています。
またこれがモトとなって宝塚歌劇団などもミュージカルを上演していますよね。
本国フランスでも『Lady Oscar』というタイトルで翻訳され、79年にはテレビでも放送されるほどの人気でした。
フランス文化の日本への紹介という点でも彼女の功績が評価され、今年フランスからレジオンドヌール勲章シュヴァリエ賞を授与されています。

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コッポラ映画の影響か、昨年、パリのグランパレという会場で『マリーアントワネット』展が開かれました。
私は会期終了間際に行ったのですが、なんと2時間待ちの長蛇の列。
炎天下の中、初老のマダムやムッシューらとともに待ち続け、やーっと中に入ることができましたがかなりの混雑。
フランスで初めて、上野の森の企画展に匹敵するほどの混雑した美術鑑賞でした。
マリー・アントワネット、やはりフランス人の間でもいまだに大人気です。
企画展ですので写真撮影はできませんでしたが、目の前に展示されている彼女にまつわる肖像画やドレス、宝飾類、使用していた家具、小物、どれもが強烈な存在感を放っていました。
小説などを読んだ後だったので、そういった作品のエピソードに出てくる展示品の数々を目の当たりにでき、彼女の壮絶な人生が急に現実味を帯びて来て恐ろしくも感じました。

ここに挙げたすべての作品に共通しているのが、2部構成になっていること。
前半は享楽的で退廃的とさえいえる豪華絢爛な王室のあきれた日常が描かれ、
後半はフランス革命が進む中、民衆のおさえようのない怒りのはけ口として批判と屈辱にさらされるオーストリア女の悲劇が描かれているのです。
展覧会でも、前半は壁の色が明るかったり、オーディオガイドからは楽しい音楽が流れて来たりしていたのですが、後半は打って変わって暗い室内にぼーっと浮かび上がる作品群、とても寂しい雰囲気の展示になっていました。

正直、前半はいいけど、後半は読みたくない、観たくない、という感じです。
私がコッポラの映画が好きなのも、後半が描かれていないから、というのがあるかもしれません。
後半の史実を直視するのは毎回勇気がいるほど心が痛みます。
フランス革命はある意味、本当に残酷でした。
毎年7月14日にフランス革命の成功を祝した盛大なお祭りがあるのですが、華やかな軍隊パレードやエッフェル塔にうち上がる美しい花火なんかを見ると、ちょっとだけ複雑な気持ちになってしまいます。

マリー・アントワネットおたくでなくても、フランス革命マニアでなくても、フランスに旅行に来るときにちょっとしたエピソードがわかっていると2倍楽しめる観光名所がたくさんあります。
来週から、マリー・アントワネットにまつわるスポットをエピソードとともにご紹介して行きたいと思います。
もしお時間と興味があったら、上に挙げた作品を鑑賞してみてくださいね。
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by paris_musee | 2009-05-11 00:00 | その他
バラになった男 アンドレ・ル・ノートルのお庭 ヴォー・ル・ヴィコント城 Chateau Vaux le Vicomte
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この人がアンドレ・ル・ノートル。このお城にやってきたときは40歳でした
アンドレ・ル・ノートルをご存知ですか?
インターネットで調べていたら、同名のバラがあることを知ってびっくり。
ガーデニングがお好きな方は、聞いたことがあるかも。
もちろんこのバラの名前はこれからお話しする造園家ル・ノートルにちなんでいるのです。

ル・ノートルは17世紀を代表する庭師、さらに言えば、フランス式庭園の生みの親。
ヴォー・ル・ヴィコント城はもちろん、ヴェルサイユ宮殿、チュイルリー公園、シャンティイ城、フォンテーヌブロー宮、ソー公園、サンクルー城、サンジェルマンアンレー城などなど、私たちがパリ周辺でお目にかかることのできるお城や公園は、彼によるものだったりします。

もともと王宮に仕える造園家の一家の生まれだったので、庭に関してはかなり造詣の深い人でした。
さらに建築と数学、絵画を学び、これらが一体となったフランス式庭園を完成させることになるのです。

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おそらくドーム上の展望台から眺めたお庭の写真。きれいに剪定された花壇が美しいですね。
フランス式庭園の特徴は、広大な敷地に、水路をつくったり装飾的な形の池を配したり、噴水があったりします。
そして城館を起点もしくは中心にして一本の軸を設定し、シンメトリーに花壇や芝生を配します。
放射状に小径があったり、高低差をわざとつけたり、木を球体や円錐などの形に剪定したり、花壇の植物を幾何学模様に形作ったりするのも大きな特徴。
つまり、自然を人工的に手を加えて整えたものがフランス式庭園と言えます。

ヴォー・ル・ヴィコント城はル・ノートルの出世作。
ここでフランス式庭園を考案し、実践したのです。
フランス式庭園の幕開けとなったお庭を観てみましょう。

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こちらは水路の向こうの丘あたりから撮ったと思われるお庭とお城の写真。
お城の南に広がる33ヘクタールの土地に36の池を配し(ただし、近年のソミエ氏の改修工事でやっと20の池が復元できましたが、16の池は失われたまま)、お城の1階と一番低い水路との高低差は18,45メートル。
お城から一番向こうのヘラクレスの彫像まで1,5キロあり、川を利用して人工的に作った水路(カナル)は約1キロの長さがあります。

いろいろな仕掛けをするのも、フランス式庭園の特徴のひとつ。
ここでは、「遠近感を感じさせない」遊びが見られます。
例えば、お城に近い彫像は遠くの彫像より背が低く、お城に近い池は遠くの池よりも小さいのです。
そうすると、普通ならば手前のものの方が大きく見えるのですから、遠くに見えるものは意外と近くにあるのかも、と思うのです。
でも歩いてみると、すごい距離があったりしていい運動になります。
それから、水路の手前に「方形の鏡」という池があるのですが、500m離れたお城のドームにある展望台から見ると、そこにお城がきちんと鏡のように写るのだそうです。(私が行ったときは展望台に上がれなかったので確認できませんでした)。

赤土にアラベスク模様になるように植えられた花壇や、球体や円錐に剪定された木、幾何学模様に作られた池や水路、土地に高低差をつけたり、自然をここまで人工的に整えるのに、基礎工事から20年ほどかかったと言われています。
時間とお金と労力をここまで操れる権力をもった人だけが、自分のものにできるお庭ですよね。
豪華な室内装飾や建物ももちろんですが、ルイ14世が嫉妬したのはとりわけこの広大な庭園だったのかもしれません。
このすばらしい庭園で賞賛されたル・ノートルは、ルイ14世に連れられてヴェルサイユ宮殿の庭園を手がけ、後世に名を残すことになるのです。

*今回はお天気も悪くいい写真が撮れなかったため、すべてWikipedia Franceの画像を借用しました。

Chateau de Vaux le Vicomte 
77950 Maincy
tel 01 64 14 41 90
fax 02 60 69 90 85

開館時間 3月14日から11月8日まで 10時から18まで
閉館日  7月と8月を除く毎週水曜日
イベント 噴水ショー:3月14日から10月31日までの第2、最終土曜日の15時から18時まで 
     キャンドルナイト:5月2日から10月10日まで(9月12日は除く)の20時から0時まで
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by paris_musee | 2009-05-04 00:00 | お城ミュゼ
納得!意外? ヴェルサイユ宮殿のモデル ヴォー・ル・ヴィコント城 パート1 chateau Vaux le Vicomte
日本に一時帰国していて、更新が大変遅れてしまいました。すみません。
今回はまとめて記事を2つアップしたいと思います。

前回ニコラ・フーケの壮絶な人生を見ましたが、彼の人生を狂わせたお城の中はいったいどうなっているのでしょうか?

多分ヴォー・ル・ヴィコント城を見る方は、ヴェルサイユ宮殿も見に行ったことがあったり、見に行く予定でいる方が多いと思います。
それにヴェルサイユ宮殿のイメージはどこかで既に見たことがある方が大半だと思います。
「ヴォー・ル・ヴィコント城はヴェルサイユ宮殿のモデル」と聞くとさぞかし豪華絢爛なんだろうと考えがちですが、はっきりいって予想以下の豪華さです。(それでも豪華だと思いますが)
ヴェルサイユ宮殿とは雲泥の差。
ヴェルサイユ宮殿は絶対王政を確立し、ヨーロッパでも最強の国になったフランスに君臨した王様の宮殿で、
ヴォー・ル・ヴィコント城はそれ以前に建築された、かなり力を持っていたとはいえひとりの貴族のお城なのです。
フランスに関して言えば、ヴェルサイユ宮殿ほど贅を尽くし、それを今もきちんと保存して伝えている豪華絢爛なお城は他にはないと思うので、他のお城の控えめな豪華さにがっかりしないでくださいね。

ヴェルサイユ宮殿がまだなかった頃にタイムスリップして、城内を観て行きましょう。
チケット売り場を通った後に馬車博物館があり、歴代の馬車が展示されています。
このかつての馬舎を出て、まっすぐ進むと右手に城館が見えて来ます。
門をくぐり階段を上って自分で扉を開けて城内へ。
チケットを見せるとすぐに階段があるので2階(1er etage)から見て行くことになります。

<フーケの控えの間>
こちらはニコラ・フーケが収集した絵画が展示してあります。
ニコラ・プッサンやヴェロネーゼ、ヴェネツィア派の絵画など、彼の時代にはイタリア風の絵画が流行していました。
窓側に彫刻がありますが、これはルイ14世。
先週の話を思い出すと、フーケは現在ここにルイ14世の彫像があるのを不満に思っているんじゃないかなーなんて考えてしまいました。

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ちょっと暗くて小さなお部屋ですが、1階にある王の寝室(来週ご紹介します)よりも落ち着いて眠れそうです。
<フーケの寝室>
フーケの書斎を通ると次は寝室です。
ここで逮捕前夜、最後の夜を過ごしたそうです。
かかっているタピスリーはフランス革命のときに銀糸と金糸をとるためにバラされてしまったのですが、幸い複製しておいたものが残っていたのだとか。
天井画にはニコラ・フーケをなぞらえた太陽神アポロンが。
アポロンはルイ14世の象徴になるのですが、彼もまた自分の権力をアポロンになぞらえていたのですね。

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こちらはお庭の光が降り注ぐ、明るくスッキリしたお部屋です。
<フーケ夫人の書斎>
このお部屋は、フーケの2番目の奥さんの小部屋でもともと鏡張りだったそうです。
これが当時流行してヴェルサイユ宮殿の鏡の間へと発展したというから、やはりこのお城はヴェルサイユのモデルになったんですね。
17世紀に流行した荘重な彫刻を施したルイ14世様式の机や箪笥が置いてあります。

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中央にある縦長のものがお風呂だと思います。左右の椅子はお手洗い?お湯を温めるための大きな水差しもあります。
<ルイ15世様式の化粧室>
18世紀のお風呂やトイレが置いてあります!こんな感じだったのですね。
ニコラ・フーケの後にここの城主となったヴィラール元帥時代が間取りを変えて化粧室としたのだそうです。
18世紀になると暖をとりやすいように、お部屋を小さくするのが流行ったんですって。

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花柄の壁紙はリバティ柄と呼ばれ今でも流行っていますよね。女性の永遠の憧れなのでしょうね。
<ルイ15世様式の寝室>
さきほどのフーケ夫人のお部屋の家具よりも、脚が華奢になって小さな装飾がついたり、女性的なかわいらしさが満載のお部屋です。
ロココの時代に特徴的な軽妙洒脱なデザインですね。

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白と暖かい黄色にスッキリしたデザインの家具。マリー・アントワネットが好んだ室内装飾はまさにこんな感じ!
<ルイ16世様式の寝室>
ロココのかわいらしさがちょっと変化して、新古典主義的なデザインになってきました。
軽快さはそのままですが脚が直線になってスッキリしたデザインが特徴です。
壁にはルイ16世とマリー・アントワネットの肖像画がかけられています。
正面はヴィラール元帥のあとに領主となったショワズール公爵の肖像。

いかがでしたか?


いろいろな城主が使っていたため、ニコラ・フーケの時代の装飾のままというわけではありません。
でも1984年にフーケ時代のものになるべく戻して展示しようということになったそうです。
やはりヴェルサイユ宮殿と比べてしまうと、小規模だしお部屋の状態がよくないところも散見されますが、美術館に所蔵されるような高価な素材を使った家具や当時有名だった画家の作品が展示されているのを見ると、王室ではなかったニコラ・フーケの財力のすごさがわかるような気がします。
次回は1階部分を観て行きたいと思います。

Chateau de Vaux le Vicomte 
77950 Maincy
tel 01 64 14 41 90
fax 02 60 69 90 85

開館時間 3月14日から11月8日まで 10時から18まで
閉館日  7月と8月を除く毎週水曜日
イベント 噴水ショー:3月14日から10月31日までの第2、最終土曜日の15時から18時まで 
     キャンドルナイト:5月2日から10月10日まで(9月12日は除く)の20時から0時まで
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by paris_musee | 2009-04-27 00:00 | お城ミュゼ
納得!意外? ヴェルサイユ宮殿のモデル ヴォー・ル・ヴィコント城 パート2 chateau Vaux le Vicomte
日本に一時帰国していたため、更新が遅くなってしまいました。すみません。
今回は2つ記事をアップしています。

引き続き、ヴォー・ル・ヴィコント城の1階部分のお部屋の装飾について見て行きたいと思います。

先週見て来たお城の2階(1er etage)は主に小さなお部屋がたくさん連なっていましたが、1階(Rez-de-Chaussee)は客人をもてなすための豪華で大きなお部屋で構成されています。

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部屋が暗すぎて少しブレた写真になってしまいました。すみません。
<正方形の大間>
この部屋はかなり暗く、赤い壁、金色の装飾の荘厳な雰囲気です。
天井は天井画で飾られているのではなく、梁がむきだしになっていて装飾されているもの。
暖炉の上にシャルル・ルブランが描いた男前な城主ニコラ・フーケの肖像画が掛けられています。
この部屋にあるディアナ(豊穣の女神)を描いたタピスリーは、フーケが所有していたこの近くの製作所で織られたものだそうです。
ニコラが失脚した後、このマンシー製作所の職人はルイ14世設立のタピスリー製作所に移され、王室のためのタピスリーをたくさん制作しました。
置かれているふたつのテーブルはフーケが所有していたもので、ここから一度も運び出されたことがないとか。
大理石の天板に獅子の彫刻が施された脚をもつ机。この机が置けるようなお部屋は現代なかなか見つからないでしょうね。

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ブールの家具といい、赤いベルベットを張った椅子といい、タピスリーといい、かなり重厚感のあるお部屋ですが、日光とブルーの壁の色が重々しさを解放してくれています
<ミューズの間>
こちらはブルーと金を基調にし、ルブランによる「夜」をテーマにした天井画が描かれていて、お庭からの光もさしこみ、グっと明るい雰囲気の広間です。
お披露目パーティー以前に、王室の関係者などを呼んでモリエールの劇がここで演じられたのだとか。
置かれている箪笥は、ルイ14世時代に華々しく活躍した高級家具職人アンドレ・シャルル・ブールのもの。
ルーヴル美術館でも大きな展示室を与えられている、当時売れっ子の家具職人でした。

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こちらルブランによる天井画『眠りの女神』。フーケが投獄された時に擁護者となった大親友のラ・フォンテーヌは、詩集『ヴォーの夢』の中でこの絵に着想を得た詩を発表しています。
<遊戯の間>
ミューズの間からちらりと見れる小部屋です。
金ぴかの壁面装飾とルブランによる眠る女神が描かれた天井画、大きな窓と鏡によって、こちらも明るく開放感のあるお部屋になっています。
私が行った時には、19世紀の城主ソミエ一家の肖像画などが机の上に置かれていました。

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今の感覚からすると、限りなくキッチュに近いほどのゴテゴテピカピカ。
イタリア風なんですが、今で言うと「ベルサーチ風」?

<ヘラクレスの控えの間>
ダミエ模様の床に赤い壁面、金色の壁面装飾。
ルイ14世様式の室内はこの色の組み合わせが多いです。
天井画はルブランのヘラクレスの勝利をモチーフにしたもの。
右の女神が月桂樹の冠をかぶせようとしているのがヘラクレスだそうです。
中央にはパリのヴァンドーム広場にあったルイ14世の騎馬像の縮小版が鎮座しています。
権力を誇示するための力強いモチーフがふんだんに使われたお部屋でした。

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2階のお部屋からもちらっと見下ろすことができるこの大広間。
<大広間>
玄関を入るとすぐのホール。
自慢のお庭が見渡せて、当時にしては革新的なドーム天井を頂いた大広間です。
それまでは玄関ホールは2階への半円形の階段がある建物が多かったのですが、ここはあえて小さな階段を玄関左右に控えめに配し、どーんと大広間だけを中心に据えるという構造にしたのです。
来客たちは玄関を入ったとたん、広大かつ手入れの行き届いた庭園の見晴らせるホールの開放感に驚いたことでしょうね。
今はシンプルな天井画ですが、完成しなかったものの本来はルブランによる神話の登場人物が大集合した壮大な天井画が構想されていたのだそうです。
天井は18メートルの高さがあり、16本のギリシャ建築の柱頭と、上部には胸から上の人物の浮き彫りが装飾されています。

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ニコラ・フーケの一生の展示をやっているため、フーケの人形がいます。彼の方に乗っているのはリス。フーケ家の紋章なのです。
<王の控えの間>
ここから先のお部屋は前にお話しした人形を使ったフーケの人生を紹介する展示に使われていたのですが、もともとは王の控えの間でした。
図書室になったのは18世紀の城主ショワズール氏の改築以降です。
でも何層かの段になった天井や装飾などはそれまでの部屋と同様、イタリア風の豪華さのままです。
天井画は19世紀に描かれたシンプルな鳥のフレスコ画。
このお部屋もニコラフーケの時代には完成してなかったのですね。
ここにもルイ14世の肖像画とルイ14世時代に活躍したブールの机が置いてあります。

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人形のひとりがしゃべっているのですが、よく見ると口も眉毛も動いている!実はのっぺらぼうの顔に実際の人物がしゃべってる映像をプロジェクションしているのです。リアルすぎてびっくり!
<王の寝室>
当時の王様はいろんな場所のお城を点々としていました。
なので、結局は王様が使用することはなかったのですが、王のためのお部屋がつくられたのです。
天井画はルブラン、緑と金を貴重にした壁とベッド、こんなところで安眠することができるのでしょうか??
意外なことに、ベッドの左右に日本の漆塗りの黒い箪笥が置かれています。
日本から送られて来た漆塗りの何かを、フランス式の箪笥に採用したのです。
家具の形や細部はバロックやロココといった完全にフランス式なのに、どう考えても絵柄や素材が日本(または中国やペルシア)という家具をよく見かけます。
こういう和洋折衷、当時流行っていたんですって。

<食事の間>
人形を使った展示で、あの有名なお披露目パーティーのシーンに使われていたお部屋です。
ダミエの床に白と金を基調とした装飾の壁面、天井画はルブラン。
実はこのヴォー・ル・ヴィコント城で初めて、食事をするためのお部屋というものがつくられたのだそうです。
それまでは好きな部屋にテーブルなどを配置して食事をとっていたのですが、このお城以降、ダイニングルームというのが伝統になっていくんです。
そんなに大きな部屋ではないので、少人数のお食事会に使われていたのでは、と思います。

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こんな広い調理場でどんな豪華なお料理が作られていたのでしょうか?
<調理場>
地下になりますが、19世紀後半に改装され戦後まで実際に使われていた広いキッチンがあります。
地下といっても地上より一段高く建てた城館なので、上部の窓からさんさんと光が入って陰気な感じがしないんですよ。
かなり広いので、きっと料理人は何人もいたのだと思います。
奥には使用人部屋や給仕長のお部屋、ワインカーブ、果物やジャムの貯蔵室、パン製造室なんかもあったそうです。
大きな調理場には銅のフライパン、お鍋がずら〜っと並べられて、かまどやコンロなんかもあります。
ここで来客をもてなすお料理がたくさんつくられていたのですね。

いかがでしたか?

先週の2階部分の室内装飾よりも、権力と富を誇示するようなゴージャスなお部屋ばかりでした。
装飾の未完成部分(後に他の誰かによって完成)が多いとはいえ、もうお腹いっぱいなくらい豪華です。
すべて完成していたらこれ以上に絢爛豪華だったんでしょうね。すごすぎ!
この豪華さにルイ14世は嫉妬して、負けるもんかとさらに豪華なヴェルサイユ宮殿をつくらせたのですね。

この室内装飾の指揮をまかされ、自らいくつかの天井画も手がけているのがシャルル・ルブランという画家です。
ヴォー・ル・ヴィコント城建設当初はそれほどの有名人ではなかったのですが、
ルイ14世にことさら気に入られ、ヴェルサイユ宮殿の装飾も任され、後に王の専属画家として華々しく活躍する人物です。
イタリア仕込みの均整のとれた筋肉ムキムキの人物や、原色を多用し、神話のエピソードをダイナミックに描いた豪華な大画面が、ルイ14世の趣味にあっていたのでしょうね。
城主ニコラ・フーケは時代をリードすることになる画家を、自らの城館の室内装飾家として抜擢しました。
フーケは芸術家のパトロンとして援助を惜しまない人だったので、先見の明があったのです。

次回はル・ノートルによる庭園についてお話ししたいと思います。

Chateau de Vaux le Vicomte 
77950 Maincy
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開館時間 3月14日から11月8日まで 10時から18まで
閉館日  7月と8月を除く毎週水曜日
イベント 噴水ショー:3月14日から10月31日までの第2、最終土曜日の15時から18時まで 
     キャンドルナイト:5月2日から10月10日まで(9月12日は除く)の20時から0時まで
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by paris_musee | 2009-04-27 00:00 | お城ミュゼ