パリにあるとっておきミュゼをご案内します
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バラになった男 アンドレ・ル・ノートルのお庭 ヴォー・ル・ヴィコント城 Chateau Vaux le Vicomte
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この人がアンドレ・ル・ノートル。このお城にやってきたときは40歳でした
アンドレ・ル・ノートルをご存知ですか?
インターネットで調べていたら、同名のバラがあることを知ってびっくり。
ガーデニングがお好きな方は、聞いたことがあるかも。
もちろんこのバラの名前はこれからお話しする造園家ル・ノートルにちなんでいるのです。

ル・ノートルは17世紀を代表する庭師、さらに言えば、フランス式庭園の生みの親。
ヴォー・ル・ヴィコント城はもちろん、ヴェルサイユ宮殿、チュイルリー公園、シャンティイ城、フォンテーヌブロー宮、ソー公園、サンクルー城、サンジェルマンアンレー城などなど、私たちがパリ周辺でお目にかかることのできるお城や公園は、彼によるものだったりします。

もともと王宮に仕える造園家の一家の生まれだったので、庭に関してはかなり造詣の深い人でした。
さらに建築と数学、絵画を学び、これらが一体となったフランス式庭園を完成させることになるのです。

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おそらくドーム上の展望台から眺めたお庭の写真。きれいに剪定された花壇が美しいですね。
フランス式庭園の特徴は、広大な敷地に、水路をつくったり装飾的な形の池を配したり、噴水があったりします。
そして城館を起点もしくは中心にして一本の軸を設定し、シンメトリーに花壇や芝生を配します。
放射状に小径があったり、高低差をわざとつけたり、木を球体や円錐などの形に剪定したり、花壇の植物を幾何学模様に形作ったりするのも大きな特徴。
つまり、自然を人工的に手を加えて整えたものがフランス式庭園と言えます。

ヴォー・ル・ヴィコント城はル・ノートルの出世作。
ここでフランス式庭園を考案し、実践したのです。
フランス式庭園の幕開けとなったお庭を観てみましょう。

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こちらは水路の向こうの丘あたりから撮ったと思われるお庭とお城の写真。
お城の南に広がる33ヘクタールの土地に36の池を配し(ただし、近年のソミエ氏の改修工事でやっと20の池が復元できましたが、16の池は失われたまま)、お城の1階と一番低い水路との高低差は18,45メートル。
お城から一番向こうのヘラクレスの彫像まで1,5キロあり、川を利用して人工的に作った水路(カナル)は約1キロの長さがあります。

いろいろな仕掛けをするのも、フランス式庭園の特徴のひとつ。
ここでは、「遠近感を感じさせない」遊びが見られます。
例えば、お城に近い彫像は遠くの彫像より背が低く、お城に近い池は遠くの池よりも小さいのです。
そうすると、普通ならば手前のものの方が大きく見えるのですから、遠くに見えるものは意外と近くにあるのかも、と思うのです。
でも歩いてみると、すごい距離があったりしていい運動になります。
それから、水路の手前に「方形の鏡」という池があるのですが、500m離れたお城のドームにある展望台から見ると、そこにお城がきちんと鏡のように写るのだそうです。(私が行ったときは展望台に上がれなかったので確認できませんでした)。

赤土にアラベスク模様になるように植えられた花壇や、球体や円錐に剪定された木、幾何学模様に作られた池や水路、土地に高低差をつけたり、自然をここまで人工的に整えるのに、基礎工事から20年ほどかかったと言われています。
時間とお金と労力をここまで操れる権力をもった人だけが、自分のものにできるお庭ですよね。
豪華な室内装飾や建物ももちろんですが、ルイ14世が嫉妬したのはとりわけこの広大な庭園だったのかもしれません。
このすばらしい庭園で賞賛されたル・ノートルは、ルイ14世に連れられてヴェルサイユ宮殿の庭園を手がけ、後世に名を残すことになるのです。

*今回はお天気も悪くいい写真が撮れなかったため、すべてWikipedia Franceの画像を借用しました。

Chateau de Vaux le Vicomte 
77950 Maincy
tel 01 64 14 41 90
fax 02 60 69 90 85

開館時間 3月14日から11月8日まで 10時から18まで
閉館日  7月と8月を除く毎週水曜日
イベント 噴水ショー:3月14日から10月31日までの第2、最終土曜日の15時から18時まで 
     キャンドルナイト:5月2日から10月10日まで(9月12日は除く)の20時から0時まで
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by paris_musee | 2009-05-04 00:00 | お城ミュゼ
納得!意外? ヴェルサイユ宮殿のモデル ヴォー・ル・ヴィコント城 パート1 chateau Vaux le Vicomte
日本に一時帰国していて、更新が大変遅れてしまいました。すみません。
今回はまとめて記事を2つアップしたいと思います。

前回ニコラ・フーケの壮絶な人生を見ましたが、彼の人生を狂わせたお城の中はいったいどうなっているのでしょうか?

多分ヴォー・ル・ヴィコント城を見る方は、ヴェルサイユ宮殿も見に行ったことがあったり、見に行く予定でいる方が多いと思います。
それにヴェルサイユ宮殿のイメージはどこかで既に見たことがある方が大半だと思います。
「ヴォー・ル・ヴィコント城はヴェルサイユ宮殿のモデル」と聞くとさぞかし豪華絢爛なんだろうと考えがちですが、はっきりいって予想以下の豪華さです。(それでも豪華だと思いますが)
ヴェルサイユ宮殿とは雲泥の差。
ヴェルサイユ宮殿は絶対王政を確立し、ヨーロッパでも最強の国になったフランスに君臨した王様の宮殿で、
ヴォー・ル・ヴィコント城はそれ以前に建築された、かなり力を持っていたとはいえひとりの貴族のお城なのです。
フランスに関して言えば、ヴェルサイユ宮殿ほど贅を尽くし、それを今もきちんと保存して伝えている豪華絢爛なお城は他にはないと思うので、他のお城の控えめな豪華さにがっかりしないでくださいね。

ヴェルサイユ宮殿がまだなかった頃にタイムスリップして、城内を観て行きましょう。
チケット売り場を通った後に馬車博物館があり、歴代の馬車が展示されています。
このかつての馬舎を出て、まっすぐ進むと右手に城館が見えて来ます。
門をくぐり階段を上って自分で扉を開けて城内へ。
チケットを見せるとすぐに階段があるので2階(1er etage)から見て行くことになります。

<フーケの控えの間>
こちらはニコラ・フーケが収集した絵画が展示してあります。
ニコラ・プッサンやヴェロネーゼ、ヴェネツィア派の絵画など、彼の時代にはイタリア風の絵画が流行していました。
窓側に彫刻がありますが、これはルイ14世。
先週の話を思い出すと、フーケは現在ここにルイ14世の彫像があるのを不満に思っているんじゃないかなーなんて考えてしまいました。

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ちょっと暗くて小さなお部屋ですが、1階にある王の寝室(来週ご紹介します)よりも落ち着いて眠れそうです。
<フーケの寝室>
フーケの書斎を通ると次は寝室です。
ここで逮捕前夜、最後の夜を過ごしたそうです。
かかっているタピスリーはフランス革命のときに銀糸と金糸をとるためにバラされてしまったのですが、幸い複製しておいたものが残っていたのだとか。
天井画にはニコラ・フーケをなぞらえた太陽神アポロンが。
アポロンはルイ14世の象徴になるのですが、彼もまた自分の権力をアポロンになぞらえていたのですね。

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こちらはお庭の光が降り注ぐ、明るくスッキリしたお部屋です。
<フーケ夫人の書斎>
このお部屋は、フーケの2番目の奥さんの小部屋でもともと鏡張りだったそうです。
これが当時流行してヴェルサイユ宮殿の鏡の間へと発展したというから、やはりこのお城はヴェルサイユのモデルになったんですね。
17世紀に流行した荘重な彫刻を施したルイ14世様式の机や箪笥が置いてあります。

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中央にある縦長のものがお風呂だと思います。左右の椅子はお手洗い?お湯を温めるための大きな水差しもあります。
<ルイ15世様式の化粧室>
18世紀のお風呂やトイレが置いてあります!こんな感じだったのですね。
ニコラ・フーケの後にここの城主となったヴィラール元帥時代が間取りを変えて化粧室としたのだそうです。
18世紀になると暖をとりやすいように、お部屋を小さくするのが流行ったんですって。

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花柄の壁紙はリバティ柄と呼ばれ今でも流行っていますよね。女性の永遠の憧れなのでしょうね。
<ルイ15世様式の寝室>
さきほどのフーケ夫人のお部屋の家具よりも、脚が華奢になって小さな装飾がついたり、女性的なかわいらしさが満載のお部屋です。
ロココの時代に特徴的な軽妙洒脱なデザインですね。

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白と暖かい黄色にスッキリしたデザインの家具。マリー・アントワネットが好んだ室内装飾はまさにこんな感じ!
<ルイ16世様式の寝室>
ロココのかわいらしさがちょっと変化して、新古典主義的なデザインになってきました。
軽快さはそのままですが脚が直線になってスッキリしたデザインが特徴です。
壁にはルイ16世とマリー・アントワネットの肖像画がかけられています。
正面はヴィラール元帥のあとに領主となったショワズール公爵の肖像。

いかがでしたか?


いろいろな城主が使っていたため、ニコラ・フーケの時代の装飾のままというわけではありません。
でも1984年にフーケ時代のものになるべく戻して展示しようということになったそうです。
やはりヴェルサイユ宮殿と比べてしまうと、小規模だしお部屋の状態がよくないところも散見されますが、美術館に所蔵されるような高価な素材を使った家具や当時有名だった画家の作品が展示されているのを見ると、王室ではなかったニコラ・フーケの財力のすごさがわかるような気がします。
次回は1階部分を観て行きたいと思います。

Chateau de Vaux le Vicomte 
77950 Maincy
tel 01 64 14 41 90
fax 02 60 69 90 85

開館時間 3月14日から11月8日まで 10時から18まで
閉館日  7月と8月を除く毎週水曜日
イベント 噴水ショー:3月14日から10月31日までの第2、最終土曜日の15時から18時まで 
     キャンドルナイト:5月2日から10月10日まで(9月12日は除く)の20時から0時まで
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by paris_musee | 2009-04-27 00:00 | お城ミュゼ
納得!意外? ヴェルサイユ宮殿のモデル ヴォー・ル・ヴィコント城 パート2 chateau Vaux le Vicomte
日本に一時帰国していたため、更新が遅くなってしまいました。すみません。
今回は2つ記事をアップしています。

引き続き、ヴォー・ル・ヴィコント城の1階部分のお部屋の装飾について見て行きたいと思います。

先週見て来たお城の2階(1er etage)は主に小さなお部屋がたくさん連なっていましたが、1階(Rez-de-Chaussee)は客人をもてなすための豪華で大きなお部屋で構成されています。

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部屋が暗すぎて少しブレた写真になってしまいました。すみません。
<正方形の大間>
この部屋はかなり暗く、赤い壁、金色の装飾の荘厳な雰囲気です。
天井は天井画で飾られているのではなく、梁がむきだしになっていて装飾されているもの。
暖炉の上にシャルル・ルブランが描いた男前な城主ニコラ・フーケの肖像画が掛けられています。
この部屋にあるディアナ(豊穣の女神)を描いたタピスリーは、フーケが所有していたこの近くの製作所で織られたものだそうです。
ニコラが失脚した後、このマンシー製作所の職人はルイ14世設立のタピスリー製作所に移され、王室のためのタピスリーをたくさん制作しました。
置かれているふたつのテーブルはフーケが所有していたもので、ここから一度も運び出されたことがないとか。
大理石の天板に獅子の彫刻が施された脚をもつ机。この机が置けるようなお部屋は現代なかなか見つからないでしょうね。

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ブールの家具といい、赤いベルベットを張った椅子といい、タピスリーといい、かなり重厚感のあるお部屋ですが、日光とブルーの壁の色が重々しさを解放してくれています
<ミューズの間>
こちらはブルーと金を基調にし、ルブランによる「夜」をテーマにした天井画が描かれていて、お庭からの光もさしこみ、グっと明るい雰囲気の広間です。
お披露目パーティー以前に、王室の関係者などを呼んでモリエールの劇がここで演じられたのだとか。
置かれている箪笥は、ルイ14世時代に華々しく活躍した高級家具職人アンドレ・シャルル・ブールのもの。
ルーヴル美術館でも大きな展示室を与えられている、当時売れっ子の家具職人でした。

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こちらルブランによる天井画『眠りの女神』。フーケが投獄された時に擁護者となった大親友のラ・フォンテーヌは、詩集『ヴォーの夢』の中でこの絵に着想を得た詩を発表しています。
<遊戯の間>
ミューズの間からちらりと見れる小部屋です。
金ぴかの壁面装飾とルブランによる眠る女神が描かれた天井画、大きな窓と鏡によって、こちらも明るく開放感のあるお部屋になっています。
私が行った時には、19世紀の城主ソミエ一家の肖像画などが机の上に置かれていました。

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今の感覚からすると、限りなくキッチュに近いほどのゴテゴテピカピカ。
イタリア風なんですが、今で言うと「ベルサーチ風」?

<ヘラクレスの控えの間>
ダミエ模様の床に赤い壁面、金色の壁面装飾。
ルイ14世様式の室内はこの色の組み合わせが多いです。
天井画はルブランのヘラクレスの勝利をモチーフにしたもの。
右の女神が月桂樹の冠をかぶせようとしているのがヘラクレスだそうです。
中央にはパリのヴァンドーム広場にあったルイ14世の騎馬像の縮小版が鎮座しています。
権力を誇示するための力強いモチーフがふんだんに使われたお部屋でした。

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2階のお部屋からもちらっと見下ろすことができるこの大広間。
<大広間>
玄関を入るとすぐのホール。
自慢のお庭が見渡せて、当時にしては革新的なドーム天井を頂いた大広間です。
それまでは玄関ホールは2階への半円形の階段がある建物が多かったのですが、ここはあえて小さな階段を玄関左右に控えめに配し、どーんと大広間だけを中心に据えるという構造にしたのです。
来客たちは玄関を入ったとたん、広大かつ手入れの行き届いた庭園の見晴らせるホールの開放感に驚いたことでしょうね。
今はシンプルな天井画ですが、完成しなかったものの本来はルブランによる神話の登場人物が大集合した壮大な天井画が構想されていたのだそうです。
天井は18メートルの高さがあり、16本のギリシャ建築の柱頭と、上部には胸から上の人物の浮き彫りが装飾されています。

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ニコラ・フーケの一生の展示をやっているため、フーケの人形がいます。彼の方に乗っているのはリス。フーケ家の紋章なのです。
<王の控えの間>
ここから先のお部屋は前にお話しした人形を使ったフーケの人生を紹介する展示に使われていたのですが、もともとは王の控えの間でした。
図書室になったのは18世紀の城主ショワズール氏の改築以降です。
でも何層かの段になった天井や装飾などはそれまでの部屋と同様、イタリア風の豪華さのままです。
天井画は19世紀に描かれたシンプルな鳥のフレスコ画。
このお部屋もニコラフーケの時代には完成してなかったのですね。
ここにもルイ14世の肖像画とルイ14世時代に活躍したブールの机が置いてあります。

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人形のひとりがしゃべっているのですが、よく見ると口も眉毛も動いている!実はのっぺらぼうの顔に実際の人物がしゃべってる映像をプロジェクションしているのです。リアルすぎてびっくり!
<王の寝室>
当時の王様はいろんな場所のお城を点々としていました。
なので、結局は王様が使用することはなかったのですが、王のためのお部屋がつくられたのです。
天井画はルブラン、緑と金を貴重にした壁とベッド、こんなところで安眠することができるのでしょうか??
意外なことに、ベッドの左右に日本の漆塗りの黒い箪笥が置かれています。
日本から送られて来た漆塗りの何かを、フランス式の箪笥に採用したのです。
家具の形や細部はバロックやロココといった完全にフランス式なのに、どう考えても絵柄や素材が日本(または中国やペルシア)という家具をよく見かけます。
こういう和洋折衷、当時流行っていたんですって。

<食事の間>
人形を使った展示で、あの有名なお披露目パーティーのシーンに使われていたお部屋です。
ダミエの床に白と金を基調とした装飾の壁面、天井画はルブラン。
実はこのヴォー・ル・ヴィコント城で初めて、食事をするためのお部屋というものがつくられたのだそうです。
それまでは好きな部屋にテーブルなどを配置して食事をとっていたのですが、このお城以降、ダイニングルームというのが伝統になっていくんです。
そんなに大きな部屋ではないので、少人数のお食事会に使われていたのでは、と思います。

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こんな広い調理場でどんな豪華なお料理が作られていたのでしょうか?
<調理場>
地下になりますが、19世紀後半に改装され戦後まで実際に使われていた広いキッチンがあります。
地下といっても地上より一段高く建てた城館なので、上部の窓からさんさんと光が入って陰気な感じがしないんですよ。
かなり広いので、きっと料理人は何人もいたのだと思います。
奥には使用人部屋や給仕長のお部屋、ワインカーブ、果物やジャムの貯蔵室、パン製造室なんかもあったそうです。
大きな調理場には銅のフライパン、お鍋がずら〜っと並べられて、かまどやコンロなんかもあります。
ここで来客をもてなすお料理がたくさんつくられていたのですね。

いかがでしたか?

先週の2階部分の室内装飾よりも、権力と富を誇示するようなゴージャスなお部屋ばかりでした。
装飾の未完成部分(後に他の誰かによって完成)が多いとはいえ、もうお腹いっぱいなくらい豪華です。
すべて完成していたらこれ以上に絢爛豪華だったんでしょうね。すごすぎ!
この豪華さにルイ14世は嫉妬して、負けるもんかとさらに豪華なヴェルサイユ宮殿をつくらせたのですね。

この室内装飾の指揮をまかされ、自らいくつかの天井画も手がけているのがシャルル・ルブランという画家です。
ヴォー・ル・ヴィコント城建設当初はそれほどの有名人ではなかったのですが、
ルイ14世にことさら気に入られ、ヴェルサイユ宮殿の装飾も任され、後に王の専属画家として華々しく活躍する人物です。
イタリア仕込みの均整のとれた筋肉ムキムキの人物や、原色を多用し、神話のエピソードをダイナミックに描いた豪華な大画面が、ルイ14世の趣味にあっていたのでしょうね。
城主ニコラ・フーケは時代をリードすることになる画家を、自らの城館の室内装飾家として抜擢しました。
フーケは芸術家のパトロンとして援助を惜しまない人だったので、先見の明があったのです。

次回はル・ノートルによる庭園についてお話ししたいと思います。

Chateau de Vaux le Vicomte 
77950 Maincy
tel 01 64 14 41 90
fax 02 60 69 90 85

開館時間 3月14日から11月8日まで 10時から18まで
閉館日  7月と8月を除く毎週水曜日
イベント 噴水ショー:3月14日から10月31日までの第2、最終土曜日の15時から18時まで 
     キャンドルナイト:5月2日から10月10日まで(9月12日は除く)の20時から0時まで
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by paris_musee | 2009-04-27 00:00 | お城ミュゼ
ニコラ・フーケの人生最高の時、人生最悪の時 Chateau Vaux le Vicomte ヴォー・ル・ヴィコント城

ニコラ・フーケをご存知ですか?
といって知っている方は、本当にフランス史をよくご存知の方です。
私も名前でさえ聞いたことがあったようななかったような、彼の人生に関してはまったくの無知でした。
歴史上には壮絶な人生を送った人物がいっぱいいますが、この人の人生も涙なくして語れないほどドラマチックです。

城内を順路に沿って進むと、後半にこのフーケの人生をクローズアップした展示があります。
なんとフーケやルイ14世などの人形がお部屋に配置されて、どんなドラマがあったのか解説してくれるのです。
フーケが使っていたお部屋は本物なのですが、人形によるシーンの再現や彼らのセリフを聞いていると、ここはディズニーランド?と思ってしまいます。
でもわかりやすく歴史の一コマを再現していて、子供も大人も楽しく学びながら城内を鑑賞できるいいアイディア。

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肖像画を見ると、かなりの男前。肖像画は脚色するのが当たり前ですが、それを差し引いても美男だと思いませんか?

ヴォー・ル・ヴィコント城の初代の城主はニコラ・フーケ。
ルイ14世時代に大蔵卿にまで上り詰めた人物です。
しかし、彼が建てたこのお城こそが、その後の人生を狂わせてしまうのです。
今回はそんなニコラ・フーケのお話をしてみたいと思います。
フーケはもともと高貴な家の息子でした。
13歳でパリ高等法院の弁護士となり、20歳で参事員請願委員、35歳でパリ高等法院の検事総長、38歳で大蔵卿となります。
肩書きがすごいですよね。
とにかく早いうちからエリートコースをまっしぐらだったようです。
当時、幼いルイ14世治下、マザランという人物が摂政として政治を掌握していました。
ニコラ・フーケはこのマザランに仕え、フロンドの乱という王権への反乱が起きたときもルイ14世とマザラン側に忠誠を誓い通しました。

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左がルイ14世、右が密告するコルベール。ニコラ・フーケの逮捕計画が秘密裏に進められて行きます。
そしてマザランの死後、彼はさらに権力を我がものにしようと野心を燃やすのです。
この頃には資産家の娘との結婚や、大蔵卿という地位によって私服を肥やしたりと、権力だけでなく財力も相当なものでした。
しかし、コルベールというマザランの後釜に就いた男に「フーケが公金を横領し王に対する陰謀を企てています」と告げ口され、ルイ14世も来るべき絶対王政に彼が邪魔だと思っていたので、ニコラ・フーケ失脚の陰謀が着々と進められて行くのです。

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本物は似ても似つかないほどに豪華だったと思いますが、これはお披露目パーティーのシーンです。ダンスをする人々の映像と手前の豪華なドレスに身を包んだ人たち、左側にマカロンタワーが置いてありました。
そんなこととはつゆ知らず、1661年8月17日、フーケは莫大な財産を費やして5年がかりでつくらせたヴォー・ル・ヴィコント城のお披露目パーティーを開催します。
豪華な装飾品、高価な絵画や彫刻、すばらしい内装を施した部屋の数々、広大で美しく整えられた庭園、どれをとっても贅をつくしたお城で、モリエールはバレエを上演し、当代きっての料理人は客人に最高級の食材でつくったおいしい料理をふるまいました。
このパーティーはフランスでも1、2を争う豪華さだったと言います。
フーケ失脚のシナリオを片手にしたルイ14世も賛辞を述べたほど。
そして王は同時に決断を下したのです。

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ルイ14世について出かけたナントで、アレクサンドル・デュマ著の『三銃士』で有名なダルタニャンたちに逮捕されるシーンです。
パーティーからわずか3週間後、フランスの権力と財力を掌握して人生最高の時を謳歌していたニコラ・フーケは、出先のナントで突然逮捕されます。
国外追放の判決がくだされるのですが、ルイ14世が不服とし、終身禁固刑を言い渡されます。
バスティーユの牢獄に3年投獄されたのち、彼はアルプスのピネローロ要塞で手記を書いたりしながら15年以上生き延び、1680年にそこで死去しました。

フランス史上に残る最も華麗なパーティーから逮捕されるまでの3週間しか、彼はヴォー・ル・ヴィコント城の城主として自由に過ごすことができませんでした。
逮捕後は2度と自分のお城に帰ることはできず、豪華な装飾品や絵画はルーヴル宮やヴェルサイユ宮殿に没収されてしまうのです。
お城がフーケ夫人のものとなったのも12年後だったといいます。

その後、フーケの息子が相続人なく他界し、ルイ14世のもとで公爵議員をしていたヴィラール元帥が買い取ります。
そして何代目かが破産すると、今度はルイ15世のもとで外務大臣をしていたショワズール公爵へ売却されました。
フランス革命の直前に城館をフランス国家に寄贈したため、革命の破壊からは逃れることができたようです。
しかしどんどんお城は荒れ果て、19世紀後半、砂糖の精製業で財をなしたソミエ氏が買い取る頃には大規模な修復工事が必要なほどの荒廃ぶりでした。
修復工事はソミエ氏の代では終わらず、現在の曾孫パトリス・ドゥ・ヴォグエ氏がその意思を継いでお城を守っています。
そう、このお城は観光客に公開されているのですが、個人所有なのです。

ニコラ・フーケの波瀾万丈な人生、いかがでしたか?
逮捕の理由は「公金横領」だったそうですが、それはマザランも他の人もやっていてみんなが目をつぶっていたこと。
なのにフーケだけこんな転落の人生を歩まされたのは、ルイ14世がヴォー・ル・ヴィコント城に激しい嫉妬を覚えたからでしょう。
事実、ルイ14世はこのお城を手がけた建築家、室内装飾家、庭園師にそのままヴェルサイユ宮殿の建築をゆだねるのです。
来週はこのお城が当時どれだけすごかったのか、建築や室内、庭園を中心にお伝えしようと思います。

Chateau de Vaux le Vicomte 
77950 Maincy
tel 01 64 14 41 90
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開館時間 3月14日から11月8日まで 10時から18まで
閉館日  7月と8月を除く毎週水曜日
イベント 噴水ショー:3月14日から10月31日までの第2、最終土曜日の15時から18時まで 
     キャンドルナイト:5月2日から10月10日まで(9月12日は除く)の20時から0時まで
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by paris_musee | 2009-03-30 00:00 | お城ミュゼ
郊外のお城に行こう! Chateau Vaux le Vicomte ヴォー・ル・ヴィコント城
長い冬が終わって春から夏に移行する3月頃から、ミュゼの営業時間が延びたり、冬期休業していたミュゼが開館したりします。
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あいにくの寒空ですが、なーんにも遮るものがない広大な土地にパっと現れるお城、素敵です。建物の周りはお堀になっていて水が張ってあります。
今回ご紹介するChateau Vaux le Vicomte(ヴォー・ル・ヴィコント城)も冬場は閉まっているお城。
クリスマスの時期に特別営業をしますが、基本的には3月中旬から11月初旬までしかオープンしていません。

このお城はヴェルサイユ宮殿のモデルとなったお城なんです。
というのも、ルイ14世の大蔵卿だったニコラ・フーケが建てた城館で、そのお披露目パーティーで王を嫉妬させたのです。
ルイ14世はその後、ヴェルサイユ宮殿を建築するにあたって、このヴォー・ル・ヴィコント城を手がけた庭師のアンドレ・ル・ノートルと、建築家のルイ・ル・ヴォー、画家で室内装飾家のシャルル・ル・ブランを指名したのです。

時間のある方は是非ともこの2つのお城を訪れてほしいのですが、できればヴォー・ル・ヴィコント城を先に見ていただきたいです。
ヴェルサイユの広大な敷地や豪華絢爛な室内装飾に比べると、どうしても見劣りがしてしまうんですよね。こちらは王様じゃない、いち貴族のお城ですから。

来週詳しいエピソードをお話しますので、今日はパリからの行き方についてご説明します。
ヴォー・ル・ヴィコント城はパリから南東に電車で30〜40分くらいの郊外に位置しています。
行き方は意外と簡単。

パリのGare de Lyon(ギャール・ドゥ・リヨン)駅からSNCFという電車に乗るか、RERのD線で行く2つの方法があります。
降りる駅はともにMelun駅。RERの方は終点ですので乗り過ごす心配がなくてオススメ。
このサイト(英語)で、「start」をGare de Lyon、「destination」をMelunと記入し、日付と希望の出発/到着時間を選択して「search」を押すと電車の時間、電車の名前(番号)と目的地が出てきます。
帰りの時刻も調べておきましょう。
念のためその前後の電車もメモって行くといいですよ。

駅に着いたら調べた電車の名前(番号)を確認して乗車しましょう。
RERの方はホームに次の電車の止まる駅が全部表示されるパネルがあります。
RERは途中で二股になるので終点をしっかり確認してくださいね。
現在、片道7,15ユーロかかります。

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バス停です。小さくて見逃してしまいそうですが、駅が見える距離にあるのでよーく探してください。
Melun駅に着いたら、place de la gareの改札口を出て、目の前にカフェがあります。
そのavenue Gallieniの通りの小さなATMだけのCredit Agricole(エメラルドグリーンの店舗)銀行前のバス乗り場からシャトルバスに乗るのが一番安いです。
片道3,5ユーロ、往復だと7ユーロ。
ただ、平日はバスがなく、土日祝でもバスの本数が極端に少ないので気をつけてください。
こちら(英語)で時刻を確認できます。
2つCatsleが出てきますが、今回の目的地はCastle of Vaux le Vicomteの方ですので気をつけて。
私が行った時は日曜日なのに運休で、何も知らないもう一組の観光客とずいぶん待ってしまいました。

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何もない土地を走って、長く続くこの並木道を通り抜けるとお城の入り口にたどり着きます。
バスで行かない場合はタクシーになります。
駅前のタクシー乗り場から乗ってください。
駅からお城まで片道、平日はだいたい15ユーロ、休日と夜間は20ユーロくらいです。
帰りもタクシーで帰るのなら、行きのタクシーの運転手さんに電話番号を聞いて呼ぶか、01 64 52 51 50もしくは01 64 41 77 00に電話をかけて呼んでください。
タクシーを呼んだ場合はお値段はもうちょっと高くなります。
歩いて帰れる距離ではないですし、流しのタクシーが拾えるほど車が通っていない辺鄙なところです。

お城の開館時間は10時から18時まで、7月と8月以外の毎週水曜日が閉館日です。
まだ行ったことがないのですが、このお城は「キャンドルナイト」という催しを5月初旬から10月上旬までの土曜日の夜行っています。
20時から24時まで入場できて、お城全体がキャンドルの柔らかい光でライトアップされるのです。

チケットは全部で5種類。
*14ユーロのチケット
1階のお部屋とルノートルの展示、フーケの展示、お庭、美術館の見学が可能。
*16ユーロのチケット
上記の施設プラス2階のフーケのアパルトマン、ドームが見学できます。
*8ユーロの美術館とお庭だけのチケットです。
*キャンドルナイトのチケット 15ユーロ
1階のお部屋とルノートルの展示、フーケの展示、お庭、美術館の見学が可能。
*キャンドルナイトのチケット 17ユーロ
上記の施設プラス2階のフーケのアパルトマン、ドームが見学できます。
残念ながら日本語はありませんが、英語、フランス語などのオーディオガイドも2ユーロで貸し出ししています。

天気のいい日はパリを飛び出してのんびりとした一日を過ごすのはいかがでしょう?
手入れの行き届いた豪奢なお城と広大なお庭のVaux le Vicomte城はとってもおすすめです。

Chateau de Vaux le Vicomte 
77950 Maincy
tel 01 64 14 41 90
fax 02 60 69 90 85

開館時間 3月14日から11月8日まで 10時から18まで
閉館日  7月と8月を除く毎週水曜日
イベント 噴水ショー:3月14日から10月31日までの第2、最終土曜日の15時から18時まで 
     キャンドルナイト:5月2日から10月10日まで(9月12日は除く)の20時から0時まで
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by paris_musee | 2009-03-23 00:00 | お城ミュゼ